店頭市場ピックアップ

ハガキ作成・毛筆ソフトの販売動向

2004/01/19 16:51

週刊BCN 2004年01月19日vol.1023掲載

クレオがトップを堅持

年賀状需要は縮小傾向に

 ハガキ作成・毛筆ソフトウェア市場の冬商戦は、昨年末も2002年末と同様にクレオがシェアの半分弱を占めトップを堅持し「勝利」した。だが、1年間を通じ売れ行きがピークになる同市場の昨年12月1-31日の1か月間は、全体の販売本数が前年同月比9%減、売上金額も「低価格化」の影響で同10%減となり、“年賀状需要”の縮小傾向が浮き彫りになった。

 同市場のシェア上位企業5社は、いずれも冬商戦向け製品の発売タイミングを例年より1か月程度早め、昨年9-10月に一斉に投入した。昨年12月1-31日の販売本数は、トップがクレオで45.1%。クレオは今回の冬商戦向けに、通常版に加え、日本画用絵具「赤金顔彩と筆のセット」などを同梱した「筆まめ 豪華版 匠」を新たに出荷。ところが、通常版は安定的に伸びたが、通常版に対し「匠」は100分の1の販売本数にとどまった。

 クレオに続き販売本数のシェアを確保したのは、アイフォーで28.3%。次いで、富士ソフトABCが8.8%だった。アイフォーは30歳代のファミリー層を狙い住所作成機能などを強化した「筆王2004 for Windows」を出したが、前年同月比の販売本数で26%も減少した。一方、3位の富士ソフトABCは、デジタルカメラ写真の自動補正機能を追加した「筆ぐるめVer.11」が好調で、販売本数が同29%も増えた。

 同じく、マイクロソフトは複数のデジカメ画像を一括自動補正する機能を追加した「はがきスタジオVer.2004」が伸び、販売本数シェアが6.5%、前年同月比48%増と上位の一角を崩す勢いを見せている。一方、02年末には3位をキープしていたアジェンダは、シェアが5.2%で5位に落ちた。昨年10-11月の2か月間も市場全体の販売本数は前年割れで、「需要層はまだある」と目論んでいた各社は戦略転換を迫られている。
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