店頭流通
パソコンのクリスマス商戦 厳しい状況を打破できず デジタル家電に関心が移行
2004/01/05 16:51
週刊BCN 2004年01月05日vol.1021掲載
1年間で最も稼ぎ時となる12月のボーナス商戦スタート時のパソコン販売は今ひとつだった。そのため、2003年12月第3週(15-21日)の週末以前は、「20-23日の4日間で需要が増えるのではないか」と、クリスマス商戦の盛り上がりを期待する声がショップから聞こえてきた。
しかし、フタを開けてみれば、「12月20-23日は東京・秋葉原電気街の人出は多かったが、パソコンの実売につながらなかった」という声が多い。あるパソコン専門店では、「12月第2週はなんとか前年並みだった。第3週で販売をさらに伸ばす予定だったが、逆に第3週は落ち込んだ」と肩すかしを食った様子。
BCNランキングでも、12月第3週におけるパソコンの販売は、デスクトップパソコンが台数ベースで前年同週の88%、金額ベースで85%。ノートが台数で94%、金額で87%と、前年同週を下回った。
一方、家電量販店では、「薄型テレビやDVDレコーダーなどのデジタル家電機器がボーナス商戦とクリスマス商戦ともに販売が好調だった」と、話す。「地上デジタル放送の開始や、大画面でDVDを楽しむホームシアター需要の増加などが大きな要因」という。
また、03年のパソコン市場を振り返ってみると、5月から前年同月を上回るようになり、低迷していた市場が回復傾向に向かった。しかし、10月を境に市場が再び落ち込むようになった。
10月以降の落ち込みは、「10月1日実施の個人向けパソコンリサイクルにより、9月にメーカー各社が冬商戦向けの製品を発売したことで、若干の駆け込み需要があったため」と見ていたが、結果的に冬商戦になってもプラスにならなかったのは、パソコンからデジタル家電へと消費者の購入対象が変化してきていると言えるだろう。この傾向は、当面続くというのが業界の見方で、パソコンの“冬”は長そうだ。
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