全国ショップ激戦図

<全国ショップ激戦図>5.大阪・日本橋(中)

2003/12/01 18:45

週刊BCN 2003年12月01日vol.1017掲載

 大阪・日本橋地区の特色は、中古ビジネスを強化する店舗が目立ってきたこと。パソコンおよび周辺機器を高く買い取ることを店頭POPでアピールし、買い替え需要の促進を図っている。ユーザーが使っているパソコンを自宅まで有料で引き取りに行くショップが多い中で、無料で引き取りを実施するショップも出てきているほどだ。競合店との差別化を図るために中古ビジネスでは、さまざまなサービスの提供が試行錯誤の渦中にある。

初心者向けに中古製品拡販

 オーエーシステムプラザが運営するOAシステムプラザ大阪本店でも、「中古ビジネスを伸ばしていく」(田中智幸・大阪日本橋地区統括兼大阪本店長)ことをはっきり打ち出している。中古ビジネスは、すでに売上全体の13-15%を占めるようになってきた。この売上比率を、「今年度(2004年9月期)上期で18%、下期で22-23%まで引き上げる」(同)とさらに中古パソコンの販売に力を入れる。

 同店は、1階にウィンドウズパソコン、2階でパソコン周辺機器とMac、3階にソフトウェアと中古パソコンを扱っている。近い将来、「このフロア構成をリニューアルしていく。1階に利益率が高い商材を揃えていく」と、1階に中古パソコンスペースを設けることも検討している。

 その理由を田中店長は、「最近では、中古パソコンの購入は、初心者が比較的多いため」と説明する。1日平均の来店者数は、平日が100-150人、土日が400人程度で、そのうち初心者が半数以上を占めているという。その初心者に対して、低価格の中古パソコンの売り込みを図るわけだ。

 一方、新品パソコンの売上比率は51-52%で推移する。「パソコンを単体で売るだけでは儲からない」のはどこでも同じ。そこで今後は、できるだけ多くのユーザーの目を“付加価値をつけやすい”中古パソコンに振り向けたい。そのためにも、人目に付きやすい1階という1等地を充てることもありえる。

 日本橋電気街の状況について、田中店長は、「集客率が減少している」とし、不景気感を痛感している。「売上高を増やすために、パソコン以外の商材を揃えるなど業態を変えつつあるショップもある。しかし、当店はパソコンおよび関連機器で売上高を伸ばしていく」とあくまでも原点にこだわっている。今、その重要な役割を担っているのが中古ビジネスというわけだ。

 昨年度は、売上高が前年度比15%減だった。今年度は「前年度比10%増、最低でも5%増」と、中古ビジネスの牽引力に期待を込めている。(佐相彰彦)
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