店頭流通

ホロン 学校向け市場へ本格展開 米の教育ソフト大手と提携

2003/11/24 16:51

週刊BCN 2003年11月24日vol.1016掲載

 ホロン(脇坂龍治社長)はこのほど、米国の教育ソフトベンダー最大手のリバーディープと提携した。リバーディープが持つ4000タイトル以上の教育ソフトについてホロンが日本における総代理権を獲得。脇坂社長は、「今回の提携で学校向け教育ソフトが一気に揃う。教育市場で本格展開を図る」と、国内学校向け市場をターゲットに拡販を図っていく考えだ。

 ホロンは1996年の創業で、パソコンソフトの販売を手がけている。これまでに264タイトルを発売、現在でも136タイトルを販売している。特にタイピング、教育、DVDビデオユーティリティ、3Dグラフィックス、Linuxユーティリティの5ジャンルに力を入れている。

 Divxシリーズ、PandraシリーズといったDVDビデオユーティリティは、BCNランキングのビデオ関連ソフト部門のシェアで本数約12%(5-10月累計)、金額約13%(同)とトップを維持している。

 教育ソフトは現在30タイトルあり、家電量販店などを中心に販売してきたが、「リテール向け教育ソフト市場は年間50億円程度で伸びが止まっている。これに対し、学校向け市場は現在でも200億円ほどの規模がある。より良いソフトがあれば、さらに急拡大が見込める」(脇坂社長)との判断から、市場性のあるソフトを探していた。

 一方、リバーディープは95年の設立。子供向けエンタテインメントソフトのほか、学校向け教育ソフトなど教育市場に的を絞った製品を展開している。昨年の年商は「約2億5000万ドルの売り上げで、5000万ドルの利益を出した」(ゴードン・ドーラン海外業務担当チーフ)と利益率は20%に達する。

 「グローバル展開に力を入れており、日本は重要なマーケットと考えている。慎重にパートナー企業を探してきた結果、ホロンと豊田通商の組み合わせは最強と判断し、全タイトルを任せることにした」(ドーランチーフ)という。

 ホロンでは、今回の提携を機に学校向け市場の開拓を本格的に進めていく。

 脇坂社長は、「教育用コンテンツ市場は、文部科学省をはじめ、学校、教師も含めて試行錯誤の過程にある。リバーディープが米国で成功したのは、100タイトルくらいを入れた無料体験版を配り、実際に使ってみて気に入ったら購入してもらうという販売手法を取った」ことにあるとし、日本でも同様の方法を採用していく。

 当面、キッズ用お絵描きソフト「キッドピクスシリーズ」と、「フールプルーフ・セキュリティ」という学校向けに特化した改ざん防止・保護機能などを持ったセキュリティソフトの販売に力を入れていく方針だ。
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