全国ショップ激戦図
<全国ショップ激戦図>4.大阪・日本橋(上)
2003/11/24 18:45
週刊BCN 2003年11月24日vol.1016掲載
苦戦する老舗電気街
なかでも、梅田地区にそびえたつ「ヨドバシカメラマルチメディア梅田」の影響は大きい。同店は、売り場面積が約2万平方メートルという規模に加え、一大ターミナル駅のJR大阪駅前という好立地条件。顧客は、神戸や京都からでも乗り換えなしで訪れることが可能。「帰宅途中にちょっと寄ってみる」こともできる。駐車場は、ヨドバシカメラ自体で1000台収容できるスペースを確保しており、ほかにも駅周辺に数多くの有料駐車場がある。
これに対して、日本橋電気街は地下鉄堺筋線の恵比須町駅が最寄り駅で、電車やバスを乗り換えて訪れるケースがほとんどだ。徒歩20-30分の場所にターミナル駅の難波駅があるものの、購入したパソコンを持って難波駅に移動するにはかなりの距離がある。
加えて、地下鉄なんば駅前には「ビックカメラなんば店」が店舗を構えている。難波地区から日本橋に訪れるユーザーが減少傾向にあるのも事実だ。
電気街周辺には駐車場が少ないという問題もある。こうしたことから、日本橋にある多くのショップは、「お客さんがヨドバシカメラに流れている」、「パソコン購入者が減っている」などと漏らす。
また、大阪地区では東京に比べて、激しいポイントカード合戦が繰り広げられている。カメラ量販店や郊外型量販店では還元率20%の商品が目立つ。日本橋電気街でもポイントカードを発行している店舗がある。
ある大手量販店関係者は、「還元率を高めていくのは体力勝負に陥る」と、低価格競争を避けたい意向。しかも、交通の利便性という立地条件などを照らし合わせた場合、ほかの地区と同等のポイント還元率で対抗したとしても、「差別化にはつながらない」という。
このような状況のなか、集客率を高めるためには梅田地区や郊外にはない優位性をもつことが必須となりそうだ。
日本橋のなかで、売上高を堅調に伸ばしているのは中古ビジネスに力を入れているショップと組立パソコン用パーツ専門店だ。カメラ量販店や郊外型量販店が比較的手薄な専門分野で対抗する。(佐相彰彦)
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