店頭流通

横河キューアンドエー 個人向けサポートメニュー統合 来はネット家電機器も視野に

2003/11/10 17:00

週刊BCN 2003年11月10日vol.1014掲載

 横河キューアンドエー(金川裕一社長=写真)は、パソコン専門店や家電量販店とのアライアンスを強化し、個人向けサポートの標準化を進める。その一環として、訪問サービスや電話による対応、インターネット活用など従来は個別に行っていたサポートをパッケージ化した。これまでサポートメニューの設定はショップごとに異なっていたが、顧客満足度を向上させるとともに業務効率化のために統合化を図る。まずはパソコンまわりを対象としたトータルサポートから標準化を進め、将来的にはネット家電機器のサポートも視野に入れていく考えだ。

 同社が本格展開を目指す個人向けトータルサポートは、従来個別で行っていたパソコンの訪問サポート「パソコンサービスステーション」、電話や電子メールで対応する「クラブキューアンドエー」、ウイルス対策の「安心だネット!」、初心者向けのポータルサイト「なにしろパソコン・ドットコム」などを統合して提供する。消費者がパソコンや周辺機器をショップで購入した際、同社のトータルサポートに会員登録し、必要な場合に各サポートメニューを活用できる。これまでは、ショップごとに提供できるサポートが異なっていた。

 金川社長は、「サポート市場に参入する企業が増えているなか、“サポートの単品売り”では消費者ニーズに応えられない」と、サポートの統合の狙いを語る。まずは、同社がサポート契約している大手量販店からトータルサポートへの移行を提案。加えて、このほど富士通パーソナルズとサポートビジネスで提携し、地域家電店をBtoB(企業間電子商取引)で結ぶ「FITS(富士通パーソナルズ・インターネット・トレーディング・サービス)」会員向けにサポートメニューの提供を開始する統合サポートへの移行を図っている。

 地域家電店が同社のサポート要員になる場合もあるため、インターネットやサーバー、ホームネットワークの構築といった研修用の教育プログラムも用意している。横河キューアンドエーの須田騎一朗副社長は、「ショップでは、パソコンおよび関連機器のサポートメニューが豊富。無料でADSLの設定などを提供しているケースもあり、ショップにとっては、サポートの充実がコストアップ要因になっていた」と分析。「(統合サポートのような)質の高いサポートを行うことで、サポートを有料化できる」と見ている。しかも、「サードパーティとして当社を活用することにより、自社でサポートの人員やメニューを構築するよりコストがかからない」と、統合サポートのメリットを強調する。

 同社は、ブロードバンド需要の追い風により、ADSL業者からの受託業務として初心者向けにADSLモデムの取り付けや設定作業の依頼が急増した経験がある。こうした経験から、金川社長は、「今後は、テレビをはじめとしたネット家電を視野に入れたサポートも必要になる」と、パソコンだけでなくより広い機器をサービスの対象に広げ、ユーザーにわかりやすいサポートの標準化・統合化を図っていく。
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