店頭流通

ロジテック 日本市場重視で製品開発 シェア拡大を本格化

2003/11/10 18:45

週刊BCN 2003年11月10日vol.1014掲載

 ロジクールの親会社であるロジテックグループの製品開発責任者でこのほど来日したアシシュ・アローラ氏は、日本市場向けの製品開発について、「日本市場は非常に重要視しており、これまでにも日本市場専用製品も投入している。今後とも、日本市場を意識した製品開発を行っていく」と、製品開発にあたって日本市場をさらに重視していく姿勢を明らかにした。

 ロジテックは、このほどマウス新製品「Click!シリーズ」を発売したロジクール(青柳マテウ社長)の親会社。1981年スイスに設立、82年にマウスを商品化以来、同分野のリーダーとして発展。今年はマウスの発売以来、累計出荷5億台を突破した。マウスのほかにもコードレスキーボード、ウェブカメラ、マルチメディアスピーカーなど、独自の周辺機器、サプライ製品を次々と開発。昨年度の年商は11億ドルを上回った。

 マウスについてはOEM(相手先ブランドによる生産)市場で圧倒的に強く、世界のパソコンメーカー上位20社に占める同社マウスのシェアは75%。アフターマーケット市場では、米国では27%、ヨーロッパでは46%という。BCNランキングによると日本でのシェアは台数で9%弱、金額では13%弱で推移しているが、「日本市場でのシェア拡大はこれから本腰を入れて取り組む」(アローラ氏)意向だ。

 アローラ氏によれば、日本市場の特徴は、「ノートパソコンが広く普及していること、品質に厳しく、繊細なユーザーが多いこと」だという。そのため「これらの点を考慮して、たとえばカラーバリエーションの売れ行きは特に注視している。日本で売れる色は世界でも売れるので、生産計画に反映させている」と日本市場を特に重視していると語る。

 また、「スペック、品質についてはきわめて厳しい検査を行っている。落下試験、振動試験、高温・低温試験、液体に触れたときなど、あらゆる角度から厳密な試験を行っているが、ここまで厳格に品質にこだわっているマウスベンダーは他にないはず」と自信をみせる。

 さらに、「マウスは常に手に触れている。その手触りも重視し、何百という塗料を使ってテストを重ね最適のものを選んでいる。日本でもっとも受け入れられやすいのが当社製品のはず」と話す。
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