店頭流通
アイ・オー・データ機器 液晶ディスプレイで巻き返し図る TVチューナー内蔵モデルをテコに
2003/10/20 18:45
週刊BCN 2003年10月20日vol.1011掲載
液晶ディスプレイ市場では、厳しい価格競争が展開されている。特に15型の競争は熾烈だ。15型の現在のプライスリーダーはロジテックの「LCM-T156AS/S」で、平均実売価格は3万円弱で推移している。
液晶パネルメーカーはパネルの品薄から強気の価格設定を崩さず、ディスプレイメーカーは利益確保に四苦八苦している。
そんななか、液晶ディスプレイは15型から17型へのシフトが進んでいる。平均実売価格が6万円を割り、値頃感が出てきたことから、ユーザーの17型シフトが進み、ディスプレイメーカーも利幅の高い17型重視の戦略を強化している。
同社では、好みに合わせてフレームの色を交換できる「着せ替えフレーム」を採用、製品の差別化を図ってきた。「着せ替えフレームモデルの出足は計画通り。19型も計画通り進展しているが、15型の価格設定が少し高めで、これがシェア獲得で苦戦した原因。今後、法人向け市場では価格優先戦略を採ることもあり得るが、店頭市場向けではパネルには国産メーカーの製品を採用したモデルを展開し、高付加価値路線を重視していく。TVチューナー内蔵モデルの投入もその一環」(中村プロダクトマネージャー)というのが当面の同社の方針だ。
TVチューナー内蔵モデルは、シャープ、バッファローなどが製品化しているが、市場規模は液晶ディスプレイ全体のなかで2-3%。
「まだ市場規模は大きくはないが、それだけに有望な市場。パソコンで映像を扱う機会は確実に環境が整いつつある。映像を扱う以上、高輝度、高速応答が求められるが、今回の新製品は300カンデラ、25msの速度と、テレビを違和感なく見られるレベルを実現した。9万3000円という価格設定は、19型としては格安。市場にかなりの刺激を与えるはず」と見ている。
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