店頭流通

リコーシステム開発 名刺情報管理ソフトの新版 旧製品の半額以下に

2003/10/13 17:00

週刊BCN 2003年10月13日vol.1010掲載

 リコーの全額出資子会社、リコーシステム開発(鈴木彰社長)は、名刺をパソコンで管理するソフトの新バージョン「名刺ふぉるだ~ V4」を発売した。名刺を読み取る専用スキャナ付き(価格2万4800円)と、ソフトのみ(同9800円)の2種類を用意。発売後1年間で約1万5000本の出荷を目指す。

 「名刺ふぉるだ~」シリーズは、1995年から販売しており、8年間の総販売本数は約1万5000本。新バージョンは、専用スキャナ付き、ソフト単体ともに前バージョン「名刺ふぉるだ~ V3」に比べ価格を半分以下に下げた。

 価格引き下げの要因として、昨年夏にエー・アイ・ソフトなど、これまで名刺管理ソフトを手がけていなかったソフトベンダーが同市場に低価格で参入したことを挙げる。競合ベンダーがスキャナ付きモデルで1万3000-5000円程度の価格設定をしており、同社も「機能面での差別化に加え、価格でも競争力のある形で提供することを決めた」(鈴木勝・サポート&サービス事業部長兼ビジネスソフトウェア推進室長)。

 「V4」は、名刺をスキャナで読み取り、その情報を自動的に会社名、住所、電話番号などに分けて管理する。専用スキャナを使えば名刺30枚を連続スキャニングでき、自動登録できる。また、ソフト単体のモデルでも、専用のスキャナシートが同梱されており、市販のスキャナで読み取ることができる。

 「名刺情報の管理だけでなく、名刺情報の活用を考えて開発した」(鈴木事業部長)としており、訪問履歴や商談内容を記録したり、見積書や地図情報を添付する機能も備えている。

 同社は、企業向け情報システムの構築を主力に置いているが、個人用を対象にしたソフトの開発販売についても、ビジネスソフトを中心に93年から手がけている。「売上高比で数%と低いレベルだが、リコーグループとしてコンシューマ向けにブランドを示す意味で重要なビジネス」(同)としている。

 現在、「名刺ふぉるだ~」シリーズを含め個人向けソフトを3シリーズ展開しているが、来年にはさらに新シリーズを投入する。
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