PCリサイクル直前リポート

<PCリサイクル直前リポート>第4回 ショップで認知度高める

2003/09/22 16:51

週刊BCN 2003年09月22日vol.1007掲載

 パソコン専門店や家電量販店は、電子情報技術産業協会(JEITA)が配布した個人向けパソコンの回収・再資源化システムに関するマニュアルに基づいて、パソコンの回収・再資源化について周知活動を行うことになる。

 ショップでは消費者に、新たにスタートするJEITAの回収スキームを説明するわけだ。10月から個人向けパソコンのリサイクルが始まることを知らない消費者もいるとみられるだけに、周知活動は重要だ。

 そのため、JEITAでは、9月中旬に6000部のマニュアルをショップに配布した。加えて、ポスター5000部、パンフレット1万5000部を用意した。

 個人向けパソコンの回収で消費者に理解してもらわなければならないのは、回収義務者が家電リサイクル法の場合とは異なることだ。

 家電リサイクル法では、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンという家電4品目の回収義務をショップが負い、消費者からの依頼で排出する家電品を引き取ることになっている。

 一方、個人向けパソコンリサイクルでは、メーカーが回収義務を負っている。つまり、ショップが無許可でパソコンを回収することは違法となってしまうのである。

 消費者は、JEITAと日本郵政公社が提携して構築した回収スキームに基づいてパソコンを排出する。そのため、個人向けパソコンリサイクル制度と家電リサイクル法との違いを消費者に理解してもらわなければならないわけだ。

 販売店は、パソコンを排出するユーザーと密接なつながりをもつ。販売店が消費者に個人向けパソコンリサイクルの仕組みを訴えることは、回収の実効性を高めるうえで大きな役割を担っているといえる。

 「PCリサイクルマーク」が貼付されているパソコンは、収集運搬料金とリサイクル料金を合わせた回収再資源化料金がかからない。この点も消費者に訴えていくことが販売店に求められている。

 9月以前に販売されたパソコンについては、メーカーが新製品にリサイクル費用を織り込んだ場合を除き、ほとんどが「廃棄時徴収」となる。一方、10月以降に販売されるパソコンは、回収再資源化料金が原価に織り込まれているため、費用は不要だ。

 廃棄時徴収のパソコンに関しては、リサイクル料金を払うより下取りに出すという消費者も増え、ショップの中古パソコン事業が拡大することにもつながる。(佐相彰彦)
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