店頭市場ピックアップ

クライアントOSの販売動向

2003/09/22 16:51

週刊BCN 2003年09月22日vol.1007掲載

Linux陣営が善戦

リンドウズが起爆剤に

 マイクロソフト製品が独占に近い状態を維持してきたクライアントOS市場で、オープンソースOS「Linux(リナックス)」がその牙城の切り崩しをうかがう存在になってきた。8月下旬にエッジがリナックスベースの「リンドウズOS4.0日本語版」を発売。それまで90%前後を占めていたマイクロソフトのベンダー別販売本数シェアが急落。9月8-14日の週では71.4%まで低下した。

 Linux陣営のエッジとレッドハットを合わせたベンダー別販売本数シェアは、8月下旬から3週間連続で15%前後に達し、そのままマイクロソフトの市場を侵食したようだ。8月25-31日の週に機種別販売本数で第1位だったマイクロソフトの「ウィンドウズXPホームエディション」の販売本数を100とすると、「リンドウズOS4.0日本語版」は55、多数のアプリケーションを自由にダウンロードできる「同Plus」は43まで迫った。

 大手量販店の関係者は、リンドウズ善戦の理由について、パソコンのハードディスクへのインストールが不要で、CD-ROMドライブで起動できるのが評判で、「当初は中・上級以上のユーザーが購入した」。その後は、使いやすい操作画面を採用し安価なこともあり、「パソコン初心者にも浸透し始めている」とし、長期的な需要を見込めると予測している。

 UNIXの知的財産権侵害で米SCOと争っているレッドハットのOS「レッドハット・リナックス9」は、「Linux派ユーザーの後押しがある」(大手量販店)ようで、「ウィンドウズXPホームエディション」の販売本数100に対し、今年4月の発売から継続して10以上を保っている。Linux陣営にとって気になるのは、11月14日に発売を控えるマイクロソフトの新オフィスの登場でも現状の販売本数を維持できるか、だろう。
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