8月は2倍近い伸びを記録

ブロードバンドが需要を後押し

　PCカメラが好調だ。プリンタなどの主要パソコン周辺機器の前年割れが続くなか、ここ半年間の推移をみると、台数・金額ともに前年同月比50－100％増のペースが続いている。8月のBCNランキング月次データでは、台数ベースで同91％増、金額ベースで同83％増と、最近6か月間で最も高い伸び率を記録した。テレビ電話を目的に購入するユーザーが大半を占めており、マイクロソフトの「ネットメッセンジャー」など、テレビ電話を楽しめる無料のアプリケーションソフトが増えてきたことも、PCカメラの成長を後押しする要因となっている。

　総務省が発表したブロードバンド接続サービス加入者数は、7月末時点で900万人を突破しており、家庭へのブロードバンドの普及も、PCカメラのユーザー層拡大に確実につながっている。図は、8月のベンダー別PCカメラ台数シェア（BCNランキング）。ロジクールがシェア約50％を確保し、首位をキープ。競合他社よりもラインアップが豊富で、価格も5000－1万円と幅広く揃えていることが、ユーザーに受け入れられている要因とみられる。

　以下、エレコム、アイ・オー・データ機器、日立マクセル、クリエイティブメディアなどが続く。ロジクールは、PCカメラ市場でほぼ一貫してトップシェアを維持しており、他社も新製品を続々投入しているが、ロジクールの牙城を崩せない状況が続いている。台数・金額ともに市場規模は小さく、パソコン市場全体に大きな影響力をもつ製品ではないが、伸び率は周辺機器の中でトップレベルにある。ブロードバンドのキラーアプリケーションとして、IP電話と同様にテレビ電話が注目されれば、いま以上の成長が期待できる。