店頭流通

フィクス 100円ソフト コンビニでも展開、販売倍増狙う 発売1年で売上150万本に

2003/09/01 18:45

週刊BCN 2003年09月01日vol.1004掲載

 ソフトウェア開発などのフィクスは、発売開始から1年間で150万本を売り上げた100円ソフト「ROMDiA(ロムディア)シリーズ」のコンビニエンスストアでの販売を始めた。全国のデイリーヤマザキ約2000店舗で展開する。これまでの100円ショップとパソコンショップに、コンビニエンスストアでの展開を加えることにより、年間240-360万本と、販売本数の倍増を見込んでいる。また、9月下旬から発売するソフトには広告掲載機能を新たに加え、広告収入も拡大させていきたい考え。

 「ロムディアシリーズ」は、昨年5月末に「100円ソフトシリーズ」の名称で、約20店舗の100円ショップで販売を開始した。発売後、100円ショップを中心に引き合いが増え、約900店舗の100円ショップと、ラオックスやPC DEPOT(ピーシーデポ)などのパソコンショップ約100店舗の合計約1000店舗で販売展開するまでに販路が拡大し、1年間で約150万本を売り上げた。売り上げ本数の約9割は100円ショップが占めている。現在、ゲームソフトを中心に21タイトルを揃えており、年内には30タイトルまで増やす。7月下旬からは、新たな販路での拡販を狙いに、デイリーヤマザキの約2000店舗で販売を開始した。新しい販売経路が加わったことにより、年間で240-360万本の売り上げを見込んでいる。

 「ロムディアシリーズ」を立ち上げ当初から指揮している野島昭男・企画・営業室長(=写真)は、「100円ショップで主婦層を中心に予想以上のハイペースで売れたことで、幅広い客層のコンビニでも売れると考えた」と、新たな流通戦略の理由を話す。

 他のコンビニエンスストアでの展開も検討中で、今後はコンビニエンスストアでの展開に拍車をかける計画だ。また、9月下旬以降に発売するソフトには、新しい広告機能をつけて販売していく。同社の100円ソフトシリーズの特徴には、他のソフトとは違って企業の商品広告などが掲載されていることが挙げられる。ソフトを起動すると、まず最初にプロバイダやパソコンなどの広告画面がトップページに表示され、その後にソフトの各アプリケーションが起動する仕組みになっている。

 「(ソフト自体の)利益は1本あたり10円程度にすぎない。元々ソフト販売の収益を目的としたビジネスモデルではなく、あくまで広告収入を中心にしたビジネス」と、野島室長は断言する。購入層の約70%が女性で、また約65%が30-50代の年齢層(同社アンケート)という「パソコンを利用する主婦層が中心」の媒体特性を武器に、広告展開をしている。これまでは、トップページに広告を掲載するだけで、ホームページに掲載されるバナー広告と何ら変わりはなかったが、9月下旬から発売していくソフトには、ユーザーがインターネットに接続している環境であれば、広告の内容などを自動更新する機能を加えた。また、どのタイトルでも共通画面から始まるようにするなど機能も取り入れた。広告主はタイトルに限らず、「ロムディアシリーズ」の全購入者の目に触れられるようになり、訴求力がより高まると同社では期待している。
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