店頭流通
JEITAのPCリサイクル 年1万台販売で100万円の費用負担
2003/07/21 16:51
週刊BCN 2003年07月21日vol.999掲載
パソコン3R準会員制度スタート
2003年10月1日実施の個人向けパソコンの回収・リサイクルでは、JEITAが日本郵政公社と提携して実施する個人向けパソコンのリサイクル・回収スキームに、国内でパソコンやディスプレイを販売するメーカーの28社が参加することになっている。その一方で、パソコン専門店および家電量販店が扱うショップブランドのパソコンや完成済みの組立パソコンの扱いが検討課題になっていた。
経済産業省の鈴木鉄光・産業技術環境局リサイクル推進課係長は、「製品開発を主導して、企画などを行った企業が回収・リサイクルの責務を負うのがルール。メーカーと販売店双方で、各製品についてどちらが回収・リサイクルを行うかを決めてもらう」と、あくまでも当事者同士の問題と突き放す。
こうした製品は大抵の場合、ショップが競合店舗との差別化を狙って、中国や台湾、韓国メーカーと共同開発するケースが多い。海外メーカーにリサイクル義務を課せない以上、ショップがリサイクル・回収の義務を負わねばならなくなる。準会員制度の目的は、このショップを対象にパソコン3R推進事業への参加を促すためなのである。
「パソコン3R準会員制度」について、JEITAの海野隆・パソコン3R推進室長は、「パソコン3R推進事業に参加するための費用は、JEITA会員が300万円、JEITA非会員が450万円。この会費に対して、事業への参加を検討する企業から『高い』という声も出ている。そこで、準会員制度は販売量に応じて参加費用を決め、低料金化した」と、準会員制度を設けたことでリサイクルの輪を広げることを目論んだ。
具体的には、今年度は昨年度の販売実績が5万台以下で100万円、同15万台以下で150万円、同30万台以下で200万円と段階的に参加費用を決めた。
経済産業省では、「1年間の販売台数が1万台以上のパソコンを扱う業者は、もしリサイクル・回収義務を遂行しなかった場合、程度に応じて勧告・公表・罰則を適用する」(鈴木係長)と徹底した態度で臨む方針。
しかしショップ関係者の多くは、「年間1万台も販売していない」と訴える。リサイクルの費用負担が、5万台以下100万円と基準が高いことを問題にする。
パソコン3R推進準会員制度で、リサイクル率アップの窓口が広がった。あとは企業によるルールの遵守とユーザーのリサイクル参加の意志が問われることになる。とは言っても、差別化のためにオリジナルブランドのパソコンを販売するショップの実情は置き去りにされた感もある。
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