日本の店長

<日本の店長>第27回 パソコン工房 福島店 庄司義和店長

2003/07/14 18:45

週刊BCN 2003年07月14日vol.998掲載

 BTO(受注生産方式)パソコンや組立パソコン用パーツの専門店であるパソコン工房福島店(福島県福島市)は、順調に顧客数を増やしている。同店では、初級者が来店する店舗づくりに力を入れており、その結果、1日平均の来店者数が平日で25-30人、土日が75-90人で推移している。「今年度末までに来店者数を2倍に引き上げる」(庄司義和店長)考えだ。来店者の7-8割は家族連れ。売場面積が150平方メートル弱の店内では、ゆっくりと商品が見られるスペースを確保した。

順調に来店者が増加

 アイテム数は約1000種類。「売場面積に比べて、決して多いとはいえない」と認めるが、「初級者が来店するので、商品数を多く展示するよりも、分かりやすいほうが実売につながる」としている。また、「有名メーカーや日本語説明書付のパーツが初級者に人気が高い」ので、展示商品を売れ筋に絞っている。週1回のペースで商品棚を若干入れ替えるといったレイアウト変更を行うことで、「来店者が飽きない」よう工夫している。

 庄司店長は、大阪・日本橋電気街のパソコン工房日本橋店で販売していた経験をもつ。福島県の特性については、「パソコンマニアの来店が電気街よりも比較的少ない」という。同店を含めてパソコン専門店や家電量販店のほとんどは、駐車場完備で駅から離れた国道もしくは県道沿いに店舗を構える。そのため、「マニアは各店舗を回らずにネットや通販などで購入する。したがって、実店舗に来店するのは初級者や中級者が多いことになる」と説明する。パソコンマニアが来店しないのは、パーツ専門店にとっては大きな痛手だ。

 だが、「郊外店は、駅前や電気街のように会社や学校帰りにちょっと立ち寄るというケースが少ない半面、来店すれば必ず購入する可能性が高い。しかも、初級者の自作ニーズが高まっている状況」としており、1時間程度かけて丁寧に接客することで顧客を獲得してきた。「顧客が固定客となり、組立パソコンに対するスキルが上がったとしても、分かりやすく説明することは変わらない」と強調する。オープンは2000年7月。売上高は「これまで前年同月比20-30%増で推移している」と自信をみせる。(佐相彰彦)
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