日本の店長

<日本の店長>第26回 ドリームファクトリージャパン PC夢工房 加藤豊和店長

2003/07/07 16:51

週刊BCN 2003年07月07日vol.997掲載

 ドリームファクトリージャパンが運営するPC夢工房は、ネット販売を拡大するために実店舗を運営している。売上構成比は、実店舗が30%、ネット販売が70%。加藤豊和店長は、「デザインやサービスを工夫することで、ビジネスが大きく拡大する可能性がある」としており、「ネット販売の顧客を増やすためには安心感や信頼性を確保することが重要だ。実店舗を運営していることは、顧客がサイトで商品を購入する理由の1つになる」と話す。

実店舗でネット拡販につなげる

 同店は、東京の秋葉原電気街(東京都千代田区)に位置する。来店者数の大半は既存顧客。パソコンマニアを中心に1日平均で100-200人で推移している。「ネットで購入した顧客が秋葉原を訪れた際、来店するケースも多い」という。来店の目的は、アドバイスを受けるため、というのがほとんど。店舗の実売につながることは少ないものの、「ネットでの問い合わせとは違い、顧客とより深いコミュニケーションがとれる」としており、「店舗は、ネット販売の顧客を増やすことに加え、ネット購入者を固定客にまで引き上げるための重要なもの」と位置づける。

 商品は、組み立て用PCパーツやBTO(受注生産方式)パソコンなどを中心に扱っている。大手量販店と比較して商品数が少ない分、低価格を武器に差別化を図っている。売れ筋はBTOパソコン。粗利率は、OSなどソフトなしの場合で12-14%。この数字自体は、ここ数年間で大きな変化はないものの、「低価格化が激しくなり、当店も競合店に負けない価格で提供しているため、利益が減少しているのは事実」という。利益の確保については、「いかに付加価値をつけるかがカギ」としており、BTOパソコンの組み立てとサポートを加藤店長自らが行っている。

 「大手量販店などでは組み立て部隊とサポート部隊が分かれているケースが多いが、組み立てとサポートの担当者を同じにしたほうが、顧客の細かいニーズに迅速に対応できる」という。昨年度(2002年9月期)は、売上高が前年度比15%増だった。今年度は、「前年度並み」と見込んでいるものの、「BTOパソコンの裾野が広がりつつある」としており、拡販により利益アップを目指す。(佐相彰彦)
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