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CESA「ネットユーザー調査報告書」 無料ダウンロードが人気
2003/04/28 16:51
週刊BCN 2003年04月28日vol.988掲載
パッケージ購入も高い割合
2001年5月に実施した第2回調査ではネット利用者の4割が「ISDN回線」を利用していたのに対し、今回の調査ではADSLが4割に拡大、逆にISDNが2割へと減少し、ネットユーザーの接続環境が急速にADSLに移行していることが分かる。また、ネットワークからパソコンゲームをダウンロードして利用するユーザーについては、「無料でダウンロードした」人の割合が圧倒的に高く、有料の場合は、ダウンロードよりもパッケージを利用しているユーザーの方が多いという結果が出ている。■ソフトに触れる機会提供するプレインストール版
「ネットユーザー調査報告書」は、インターネットユーザーが、どの程度ゲームやインターネットを利用しているのかを調査している。
第1回は2000年11月に実施。その後、01年5月に第2回、01年11月に第3回、02年4月に第4回を実施し、02年11月に第5回目の調査を実施した。第5回調査では、02年11月9日から20日までの間、ウェブ上にアンケートフォームを掲載。4546人からの有効回答を得た。
CESAでは、「2年にわたり継続してきたネットユーザー調査だが、所期の目的を達成した」として、第5回目で同調査を終了する。 図1は、パソコンにプレインストールされたゲームの利用状況について聞いた結果をまとめている。
ほとんど毎日ゲームをしている「ヘビーユーザー」、週に2日から5日はゲームをする「ミドルユーザー」、週に1日以下の「ライトユーザー」、ほとんどゲームをしない「ノンユーザー」と、ユーザーのゲームレベルを4層に分けて調査を行った。その結果、プレインストールされたゲームの利用度が最も高いのはやはりヘビーユーザーという結果となった。
プレインストールされたゲームで特徴的なのは、ほとんどゲームをしないノンユーザーでも、「ゲームをしたことがある」との回答が69.6%と非常に高い割合となっていることだ。プレインストールされたゲームは無料で、しかもマウス操作に慣れるための課題としてパソコン教室で利用されることもあるなど、通常はゲームをしない層にまで利用されていることがわかる。
パソコンへのプレインストールに対しては、「必要ない」と批判的なユーザーもいるが、ソフトに触れる機会を増やすという意味では、効果があることを示している。
■ダウンロードは無料が人気
図2は、プレインストール以外のパソコンゲームの利用状況だ。プレインストールのゲームと比較すると、「プレイする」という割合はどのユーザー層でも減っている。とくに、ノンユーザーの比率は31.3%と、プレインストールされたゲームを「プレイしたことがある」と答えた人の半分以下に減少し、ライトユーザーの場合は20%減っている。これに対して、ゲームをプレイする頻度の高いユーザー層では、新たにゲームソフトを追加した割合が高い。
図3は、ソフトの追加方法についてだが、最も多いのが「無料でダウンロードした」という回答で、70%にのぼる。一方、有料でダウンロードしたことがある人の割合は、8.4%にとどまっている。
インターネットの世界では、無料で利用できるコンテンツが圧倒的に多く、有料でサービスを実施していくことの難しさが指摘されているが、この結果はまさに無料から有料への切り替えが容易でないことを示しているといえるだろう。
また、「有料パッケージを追加した」という人の割合は41%。ネットユーザーであっても、有料のものはパッケージで購入するという傾向が強い。
■意外に少ない専用コントローラ
同調査では、パソコンにゲーム専用のコントローラをつけているかどうかの調査も行っている。「専用コントローラを接続している」と答えた人の割合は10.3%とまだまだ少数派となっている。ヘビーユーザーでも専用コントローラーの利用者は14.4%にとどまっている。
専用コントローラーの接続方法では、USBが75.5%と圧倒的に高い比率となっている。
図4は、自宅でのインターネット接続方式。ADSL接続が順調に割り合いを増やし、逆にISDN回線の割り合いが減少している。また、光ファイバーの利用者はまだまだ比率が少ない。この結果は、総務省が発表しているADSLや光ファイバーの利用者数の伸びと、ほぼリンクしたものとなっている。
図5は、今後利用したいと考えている接続方式だが、やはり光ファイバーへの関心が高い。逆に、利用できる地域が拡大しているADSLは、高嶺の花ではなくなったのか検討する人の割り合いは減少傾向となっている。
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