日本の店長

<日本の店長>第14回 ヨドバシカメラ マルチメディア博多 阿美祥之店長

2003/04/07 18:45

週刊BCN 2003年04月07日vol.985掲載

 九州の玄関口といわれるJR博多駅前に店舗を構えるヨドバシカメラマルチメディア博多は、2002年11月1日のオープンから約5か月が経過。1日の平均来店者数は平日で7000-8000人、週末で平日の2倍程度に達するほど盛況だ。同店舗は、ビル全体の延べ床面積2万3000平方メートル、5-11階部分が1130台を収容可能な駐車場、4階部分にレストランなどのテナントスペースを配置している。

知名度向上のため接客強化

 店舗部分は、地下1階から地上3階までの4フロア。売り場面積は九州地区最大の1万7500平方メートルを誇る。品揃えもパソコンやデジタルカメラ、家電製品など50万アイテムと豊富だ。阿美祥之取締役店長は、「来店者数の増加に加え、固定顧客の確保に力を入れている」と話す。阿美店長は、札幌や仙台、大阪などの各店舗を立ち上げてきた。「さまざまな地域の店長を担当してきたが、地域ごとの特性はほとんどないに等しい。あるとすれば、ヨドバシカメラがその地域で認知されているかどうかということだけ。現段階では、(ヨドバシカメラを)認知していない消費者がまだまだ多い。知名度向上のためには、接客を強化することが重要だ」と強調する。

 店員はアルバイトを含めて400人。「新店舗はオープン当初こそお互いが気を引き締めるが、月日が経つにつれてなれ合いが生じる可能性がある。これが外からでは把握できないこともある。やはり、現場にいることで把握できた各従業員の悪い点を細かく指摘する」としている。拡販に注力している商品はパソコン。阿美店長は、「パソコンは世帯普及率が60%を超えるまでになったが、残り40%の需要がある。『まだ60%』ともいえる」と冷静に判断しており、初心者層を含めてパソコン需要を開拓していく考えだ。パソコンの粗利率は5%前後。ポイントカードでの還元率を考えれば、利益がなくなる可能性が高い。だが、消費者が粗利率の高い商品を購入すれば利益が上がる。「何度も来店してもらい、パソコン以外の商品を購入する固定客を確保することが重要だ」と強調する。(佐相彰彦)
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