日本の店長

<日本の店長>第13回 ベスト電器福岡店 久恒秀樹店長

2003/03/31 18:45

週刊BCN 2003年03月31日vol.984掲載

 九州で有数の商業地区である福岡市の天神に店舗を構えるベスト電器福岡店。同店舗が対象にする顧客層は35歳以上だ。久恒秀樹・執行役員福岡店店長は、「安心感や信頼性を重視する顧客を固定客として確保することが重要だ。そういう意識をもつ顧客として35歳以上を狙った」と話す。来店者数は1日平均3000-4000人で推移。顧客層は35歳以上が60%を占めている。

35歳以上の固定客を確保

 福岡市内は同店舗をはじめ、ヤマダ電機やコジマ、ヨドバシカメラ、ビックカメラ・ビックピーカンなどが店舗を構える。福岡県はベスト電器の本拠地であり、なかでも、福岡店は本店ということで知名度が高い。だが、「福岡市周辺に競合店舗が増えている状況では、対象になる顧客を特化した方が、競合店舗との差別化につながる」と強調する。接客では、商品説明の際にアルファベットを使うことを禁止するなど、顧客が理解できる言葉で接客することを徹底。「『ブロードバンドって何ですか?』と聞いてくる初心者もいる。顧客のパソコンスキルに対するレベルを見極め、商品に興味をもってもらうことが重要」と強調する。

 接客の強化策では、フロア別の勉強会に加えて、メーカーの事業部責任者が店舗を訪れた際に、全フロアを対象に勉強会を実施している。「勉強会では、自分の担当商品と、担当していない商品の両方を聞くことができるので、従業員全体のスキルアップにつながる」として、「忙しくなったフロアを、別のフロアの従業員が効率良く応援できる体制が整った」と自信をみせる。

 サポート面では、「ホームドクター」という家電専門のサポート部隊として10人程度を配置。同部隊は、即日修理を基本に自宅への出張修理も受け付ける。パソコンおよび関連機器では、6人程度のサポート要員を配置している。昨年度(2003年2月期)の売上高は160億円弱で前年度並みに推移。そのうちパソコンおよび関連機器の売り上げは、40億円程度で微増。オリジナルモデルの売上比率が30-40%を占めた。「今後、オリジナルモデルを50%まで伸ばす」と意気込む。(佐相彰彦)
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