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キヤノンシステムソリューションズ ウイルス対策ソフトをコンシューマ市場へ 5月から販売、年間10万本が目標

2003/03/17 16:51

週刊BCN 2003年03月17日vol.982掲載

 キヤノンシステムソリューションズ(高松正司社長)は、コンシューマ向けのウイルス対策ソフト市場に参入する。スロバキアのセキュリティベンダー、エセット社のウイルス対策ソフト「NOD(エヌ・オー・ディ)32」の国内独占販売権を獲得。同ソフトの日本語化などのローカライズを行い、「NOD32 アンチウイルス」として5月下旬から販売を開始する。価格は6800円。ウイルス対策ソフトをすでに導入しているユーザーの買い替え需要を中心に、年間約10万本の売り上げを目指す。

 「NOD32 アンチウイルス」は、独自開発したヒューリスティックエンジンによる高いウイルス検出力とスキャン速度の速さが特徴。

 ウイルス検出力では、単なるパターンファイルによるマッチングだけでなく、直接プログラムコードを解析して危険なコードを見つける。また、メモリ内部に仮想マシンを構築してウイルスを検出するため、未知のウイルスに対しても高い確率で検出することができる。

 ウイルス対策ソフトの検出率調査を行う英国の非営利団体「ウイルス・ブリテン」が行った検出テストによると、同ソフトはウイルスを100%検出した場合に贈られる「VB 100% Award」を、同社が申請を出した24回中、21回受賞した実績をもつ。競合製品ベンダーのシマンテックの25回中19回、トレンドマイクロの11回中4回、ネットワークアソシエイツの26回中10回を上回り、過去最多の受賞になるという。

 また、スキャン速度では、「ウイルス・ブリテン」が行った調査(3.3GBのハードディスクをスキャンするために要した時間を計測)結果によると、「NOD32」の1分55秒に対し、トレンドマイクロは2分26秒、シマンテックは4分12秒、ネットワークアソシエイツは7分かかったとしている。

 高本勉・商品事業部ソフトウェアプロダクト部部長は、「ヒューリスティックエンジンによる驚異的な検出力と高速スキャンは、他社の追随を許さない大きな強み。品質に厳しい日本市場では、確実に浸透する」と自信を見せる。

 吉田幸秀・商品事業部ソフトウェアプロダクト部主任は、「価格では数社の競合製品に劣り、知名度では大手ベンダーに負けてしまう。初めて購入するユーザーは、低価格製品か、大手の製品を購入する傾向が強く、『NOD32 アンチウイルス』のメリットをすぐには理解してもらえないだろう」と分析。

 そのうえで、「『NOD32 アンチウイルス』の優位性は、その性能にある。当社がまずターゲットにするのは、すでに他社のウイルス対策ソフトを導入済みのユーザーだ。他社製品と比べてもらえれば、性能の良さを分かってもらえ、当社の製品に乗り換える気持ちを喚起できる」と強調する。

 店頭と同社のウェブサイトからのダウンロードで、体験版(期間限定)約1万ライセンス分を無償で配布する予定。発売後は店頭で、他社との性能比較を説明したポップなどを展示してユーザーに訴求していき、拡販を図る構えだ。
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