店頭流通
パソコン本体平均単価、デスクトップがノートを上回る
2003/03/10 16:51
週刊BCN 2003年03月10日vol.981掲載
ノートで値頃感、デスクで高付加価値求める
図は、BCNランキングで2002年9月から03年2月までの6か月間におけるデスクトップとノートの平均単価をまとめた。これによると、冬商戦本番の昨年12月にデスクトップの平均単価がノートを上回った。この傾向は、今年に入ってからも続き、今年2月の時点で7700円の価格差がついた。実際、富士通では、「デスクトップの実売単価はノートを上回っている状況だ」(三竹兼司・パーソナル販売推進統括部第一販売推進部長)という。
NECでは、「デスクトップ、ノートともに価格が上下する要因をもっている。だが、デスクトップは音楽関連や映像関連の機能を搭載しやすいため、結果として価格が上がりやすい」(前澤光史・PC営業事業部長代理)としている。
デスクトップの平均単価が上昇したのは、テレビチューナーや記録型DVDを搭載したモデルに加え、モニタ一体型など付加価値機能やデザイン面に惹かれて購入するケースが高いためとみられる。BCNランキングをみると、昨年9月の時点でモニタ一体型モデルが16.8%、テレビ機能搭載型が27.3%、記録型DVD搭載型が19.1%だった販売台数比率が、今年2月にそれぞれ25.0%、55.4%、49.0%といずれも高まっている。
また、デスクトップ市場では、ショップブランドのオリジナルパソコンをはじめとする10万円を切る低価格パソコンを販売する店舗が多い。
メーカー製パソコンの激しい価格競争により、競合店舗と同じ商品を置いているだけではパソコンの拡販が難しいという理由から、差別化を図る意味合いで販売。機能を絞り、安く提供することで買い替え・買い増し需要を多く獲得することに注力する。
一方、ノートにおいては10-20万円モデルに人気が集中する。BCNランキングによると、販売台数比率が最も高いのは15-20万円のモデル。昨年9月の時点で60.6%を占めており、今年2月で55.5%と比率は下がったものの、依然として半数以上を占める状況だ。加えて、10-15万円モデルは昨年9月に10.5%だった比率が、今年2月に15.8%と増えた。ノートでは、値頃感のあるモデルを購入する傾向が強いようだ。
各調査会社では、「ノートは、デスクトップの販売台数よりも依然として多いことから、個人向けパソコン市場で主流の商材といえる。デスクトップの置き換えとして購入する傾向が強い」(新行内久美・IDCジャパンPCシニアマーケットアナリスト)、「A4モデルに関しては、スペックが底上げしたことによって人気を集めている。デスクトップに比べれば、省スペースという意味で購入するケースが多い」(中村成希・マルチメディア総合研究所ITプロダクト研究グループ研究員)、「A4のオールインワンサイズは、家庭内で活用されるケースが多い」(BCN総研)とみている。
00年の秋からノートの販売台数がデスクトップを上回っている状況は依然として続く。BCNランキングでも今年2月の販売台数比率は、デスクトップが36.4%、ノートが63.6%と圧倒的にノートの比率が高い状況だ。
デスクトップにおいては、低価格パソコンの登場により、デスクトップ単価の二極化が進みつつあるのは確か。 今後は、メーカー製パソコンが高付加価値、ノートが値頃感、ショップブランドのオリジナルパソコンが低価格という構図が、一層顕著に表れてくる可能性が高い。
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