日本の店長

<日本の店長>第10回 ヨドバシカメラ マルチメディア梅田 竹下雅浩店長

2003/03/10 18:45

週刊BCN 2003年03月10日vol.981掲載

 ヨドバシカメラマルチメディア梅田(大阪市北区)は、昨年12月に売り場を改装、パソコン売り場を1.2-1.3倍、ADSLサポートカウンターを10倍程度に拡張した。竹下雅浩店長は、「パソコンと通信環境を連動させた販売提案を強化した」としており、パソコンの拡販に弾みをつける。

豊富な品揃えで高いリピート率

 改装前は、ビル(地下2階、地上13階)の地下1階から地上4階部分を使用していた。改装後は、5階フロアの3分の1程度を新しく使用することにより、「これまでのアイテム数を減らさずに、販売する商品を増やすことができた」としている。

 また、地下1階のパソコン買取コーナーや修理コーナーなどを1階に移し、周辺機器や組立パソコン用のパーツコーナーを拡張。パソコンマニアの来店者数を増やすことにも注力する。こうした取り組みにより、昨年から今年にかけての年末年始の業績は、「前年の同じ時期を上回った」と自信をみせる。同店舗は、JR大阪駅から徒歩1分という好立地に加え、5-7階部分のファッションブランド品やアクセサリー品、バラエティ用品のショップ、8階の15店舗以上からなるレストランゾーンなどにより、さまざまな顧客層が訪れる。1日平均の来店者数は、平日で6万人、週末で12万人を超える。

 一大ショッピングエリアを形成したことが顧客数を増やしている要因だが、「2001年のオープンから1年間は、『一度行ってみようか』という理由で来店した顧客も多かったのでは」と分析。「顧客の立場からみると、購入したい商品を当店舗で扱う頻度が低ければ来店しなくなる」と気を引き締める。JR大阪駅周辺では、ソフマップ・ギガストア梅田店が店舗を構え、中古パソコンの販売で差別化を図っている。ヨドバシカメラマルチメディア梅田としては、豊富な品揃えでこれに対抗する。

 「大阪日本橋電気街のようにパソコン専門店や量販店が建ち並ぶ地域ではない。当店舗の特性を出すには、1店舗でできるだけ多くの顧客ニーズに応えられるように豊富な商品を揃えることだ」という。昨年度は、試行錯誤しながらも、来店者数は増加してきた。「今年度は、地にしっかりと足をつけたビジネスでリピート率を高める」としている。(佐相彰彦)
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