店頭流通

オーエーシステムプラザ 豊栄家電とパソコン供給で提携

2003/03/03 16:51

週刊BCN 2003年03月03日vol.980掲載

 パソコン専門店のオーエーシステムプラザ(OAシステムプラザ、大喜一夫社長)が大型量販店との差別化戦略に積極的だ。ボランタリーチェーンの豊栄家電(三浦一光社長)と情報関連機器分野で業務提携、OAシステムプラザがパソコンおよび関連機器の商品供給をはじめ、販売ノウハウやサポートなどを2月から提供している。同社では、この提携による売上高を年間で約12億円と見込む。今後は地域家電店とのネットワークを構築することに加え、自店舗でも地域密着型の体制に移行することを検討する。

販売ノウハウやサポートも提供

 業務提携の内容は、OAシステムプラザが豊栄家電に対し、(1)パソコンや周辺機器、サプライ品などの商品供給、(2)売場づくりの提案や指導、(3)チラシなどの販促支援、(4)サポートやサービス、教育、商品情報の支援――などを行う。2月21日から本格的に開始した。

 OAシステムプラザでは、商品供給や販売ノウハウを提供することで、豊栄家電からロイヤリティ収入を得る。加えて、幅広い年齢層への認知度向上を狙う。

 大喜社長は、「地域家電店が得意にしているシニア層への販売や、顧客の家に訪問して家電を設置するなどの販売サービスで売り上げを伸ばしていく」と強調する。

 一方、豊栄家電にとってはパソコンおよび関連機器の販売強化につながる。

 これまでは、パソコン本体がNECと富士通の2社、周辺機器がプリンタとデジタルカメラの一部機種に限られるなど、パソコンおよび関連機器の品揃えが少なかった。豊栄家電の加盟企業54社(95店舗)のうち、家電専門店は60店舗。

 その売上増には、家電に加えパソコンおよび関連機器の品揃えを増やし、販売ノウハウを取得することが課題。今回の提携によって地域密着型の店舗展開を一層図ることができる。

 「豊栄家電のパソコンと関連機器の売上規模は年間約10億円だった」という。月ベースでは8000万円前後になる。「まずはこの売上高を月約1億円に引き上げる」と意気込む。今回の提携による売上高追加額が今後1年間で約12億円と見込む。

 今後も、「全国規模で地域家電店ネットワークを構築したい」として、新パートナーを開拓していく考え。

 2月20日にオープンした「OAシステムプラザ宇和島店」(愛媛県)では、出張サービス用の車を用意した。この仕組みが軌道に乗れば、ほかの店舗でも採用する構え。

 「量販店と価格競争を続けても、売り上げや利益が伸びるわけではない。新規需要の獲得や新しいビジネスモデルを構築しなければならない」と語る。
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