店頭流通
<ショップの盗難防止事情>3 無線タグの実証実験
2003/01/20 16:51
週刊BCN 2003年01月20日vol.974掲載
物流実証実験では、無線タグの家電製品広域物流における効率化の調査、検討、評価を行う。
家電量販店を中心とした流通や販売における現状の把握と、無線タグ貼付時における運用の課題や期待効果を調査する。
これによって、バーコードを前提とした現状の物流モデルとの比較検討を通じて無線タグの運用モデルを構築することが狙い。
そこで、無線タグの実用化や効果測定を行おうというわけだ。この実験は経済産業省が音頭をとり、家電製品協会が主体となって実施される。事務局は富士総合研究所。
実施地域は、中国地区と九州地区の2か所。中国地区でデオデオと松下ロジスティクス、九州地区でベスト電器と三洋電機ロジスティクスが実証実験に参加し、今年2月をめどに実施する。
家電メーカーや無線タグメーカーも参加する予定だ。商品は、テレビや冷蔵庫、エアコン、洗濯機などの大型家電をはじめ、ビデオカメラなどの小型家電も対象になる。
家電流通市場では、カメラ量販店や郊外大型店舗などが激しい低価格競争を繰り広げている。
また、一部の量販店では、個々の販売店での正確な店舗在庫の把握や迅速な商品補充などによる在庫圧縮の動きもみられる。
物流面では、物流センターから販売店、消費者への共同配送への試みや、物流センターにおけるクロスドッキングなど、具体的なコスト削減を検討しなければ生き残りが難しい状況だ。
加えて、量販店では、確実に省力効果が期待できるレジシステムや盗難防止を備えるタグの導入など、コスト削減の限界を解決しなければならない悩みがある。
しかも今後は、現在のバーコードを用いた商品管理を、大容量で多機能に自動認識できるアイテムが求められている。
こうした問題を解決するアイテムとして無線タグが最適だという見方が強い。
実証実験では、無線タグを用いた情報管理による効率的な仕分けやノー検品、小売店や消費者への一括配送などによる物流の効率化を検証する。
無線タグは、「顧客が商品を棚から手に取った」や、「商品を手に取って棚に返した」、「商品を自動清算した」など、販売状況をリアルタイムに把握することができる。これによって自動POS化の実現に向けた期待が高まっている。
今回の実証実験では、盗難品管理で盗難を抑止することも検証する。無線タグは量販店の盗難被害額を大幅に軽減するアイテムとしても注目が集まりそうだ。
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