店頭流通
メルコ シェア伸張と黒字へ 「攻め」の戦略を
2003/01/13 16:51
週刊BCN 2003年01月13日vol.973掲載
今年は海外事業にも注力
2003年、BCNランキング(速報値)において11部門でトップシェアを獲得しそうなメルコ(牧誠社長)。斉木邦明専務取締役が考える03年のキーワードは「攻め」だ。今年度中間期(02年9月期)の業績発表では、前年同期の赤字から一転して13億円余りの経常利益を叩き出した。通期の売上高は前年度比13.1%増の791億円、経常利益は同236.5%増の14億8000万円を見込む。個人向けパソコン市場が前年比2ケタ以上のマイナスが続くなか、シェアを伸ばしつつ、黒字を拡大するという荒技を成し遂げるメルコは、まさに「攻め」の営業姿勢を剥き出しにする。年商1000億円企業への成長に向けて、手応えを感じる――。斉木専務は、「今年のパソコン・周辺機器市場は、昨年にも増して厳しくなる」との見通しを示した上で、「悪い状況のなかでも、伸びる市場を集中的に攻め、メルコの強みを発揮することで、再び成長路線に結びつける」と、1000億円企業への野望をあらわにする。
メルコは、15年前に「00年には年商1000億円」を目指していたが、浮沈激しいパソコン市場の荒波に揉まれ、数値を達成できなかった。01年度の中間期は、在庫調整で手間取り赤字も出した。
だが、今年度に入って、俄然勢いを取り戻してきた。BCNランキングの02年の年間部門別シェアでは、単独ベンダーでは最高の11部門トップを獲る見込みで、01年より3部門も多い。
斉木専務は、「必ずしもすべての分野が縮小しているわけではない。今年度上期では、ストレージ(記憶装置)の売り上げを50%伸ばした。無線LANの伸張率は35%増で、こちらも伸びているが、もともと伸びている市場なので驚かない。だが、ストレージを伸ばすことができたのは、特筆に値する」と胸を張る。
大容量コンテンツを蓄積する需要が出てくると期待されるブロードバンド時代において、幸先良い足がかりだ。
「これまで赤字だった海外での販売事業も、赤字が止まり黒字化しつつある。今年は海外事業にも力を入れる。メモリはすでに国内と海外の販売比率がほぼ五分五分になった。ここ数年のうちには、総売上1000億円のうち、海外は200億円の規模にする」と、海外での主力商品の販売にも力を入れる。
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