店頭市場ピックアップ

パソコンの販売動向

2002/12/23 16:51

週刊BCN 2002年12月23日vol.971掲載

 富士通のデスクトップパソコンが好調だ。パソコン販売は依然として前年割れが続くが、富士通のデスクトップに限っては、市場のマイナス成長をものともせず、前年同等の数字を叩き出している。

富士通のデスクトップ好調 週次では台数、金額とも前年並み

 BCNランキング(12月9-15日)によれば、デスクトップ全体では台数で前年同週比78%、金額で同80%、ノート全体では台数で同84%、金額で同83%と前年割れが続く。11月月間の集計でも、デスクトップ、ノートともにほぼ同様の悪い数字だ。

 デスクトップでは、ソニーが約6割(前年同週比)と大きく下回っているのに対し、NECは市場全体とほぼ同じ7-8割(同)と前年割れ。これに対して富士通は、台数、金額ともに前年並みの100%前後(同)で推移しており、若干、金額が上回るほどだ。

 富士通の伊東千秋・執行役パーソナルビジネス本部長は、「販売店に特別なリベートは出していない。実力で勝った」と上機嫌。サプライチェーンも順調で、在庫を抱えずパソコンビジネスで黒字維持の勢いを堅持する。

 12月9日の週次集計の富士通デスクトップのシェアは、台数23%、金額25%と、ソニーの台数26%、金額27%に迫る勢いだ。一方、富士通のノートは、同集計で台数16%、金額17%で、ソニー、NECに及ばない。

 伊東本部長は、「今回はデスクトップで成功した。だが、来年以降、何がヒットするかは分からない。キーコンセプトとして、2001年はブロードバンド&モバイル、02年はユビキタスと来て、どうもパッとしなかった。03年はホームネットワークを推すが、パソコン市場の底打ち宣言ができる決定打になるかどうかは不明」と、手探りの状態が続く。
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