検証ECビジネス ネットショップのその後

<検証ECビジネス ネットショップのその後>第22回 オフィス・イエロ

2002/12/02 16:51

週刊BCN 2002年12月02日vol.968掲載

 オフィス・イエロ(村田伸介代表)が運営するネットショップ「敏腕バイヤース」は、パソコンの品薄モデルを取り扱う専門店として注目を集めている。取扱い商品は、パソコンが大半を占めており、約120モデルを揃える。販売台数は1か月平均で300-500台で推移する。村田代表は、「顧客ニーズを追求した結果、消費者が実店舗でなかなか購入できない商品を揃えることが差別化につながると判断した」と話す。

顧客ニーズを追求した品薄モデルの専門店

 顧客層は、パソコン上級者をはじめ、買い替え需要などが多い。業務でパソコンを活用するパソコン教室の個人運営者や、インターネットビジネスを始めたい個人商店主などを顧客として取り込んでいることも特徴。地域に密着した小規模の家電店がパソコンの仕入れに同サイトを活用しているケースも多い。「一般消費者と企業の顧客比率は半々だ」という。地域は、関東が中心だが、関西や九州からのアクセスも高まっている。

 今後のサービスについては、「今のシステムは、購入者がサイトで購入するごとに住所などの必要事項を記入しなければならない。そのため、無料会員登録とし、3ケタなどの覚えやすい会員番号を配布することで簡便性を高めていく」としており、年内までに開始する計画。会員制にすることで、「顧客管理が可能となる。顧客がこれまでに何を購入したかなどの属性データをつくり、顧客ごとに適した情報をメールなどで配信するサービスを提供する」と、付加価値サービスにつなげていく。

 同社は、ウェブデザインサービスやホスティングサービスなどを提供する企業。卸事業者との協業により、パソコン販売のビジネスに参入。今年4月にサイトを立ち上げた。実際の仕入れ・物流などは協業企業が行っており、オフィス・イエロがサイトの運営と顧客の窓口を担当する。サイトで販売した商品数に応じて販売手数料を受け取る仕組みだ。今年度は、パソコンビジネスで黒字化の見通し。「ニーズに応じて他業種の商品を取り扱うことも検討し、インターネットビジネスの可能性を実際に確かめていきたい」考えだ。(佐相彰彦)
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