上新電機（土井栄次社長）がオンラインショッピング「ジョーシンウェブ」の会員数拡大に積極的だ。今年8月にサイトをリニューアル。新規需要の開拓で売り上げ増を狙う。同社では、今年4月にカスタマーソリューション営業部のなかに「eビジネス営業課」を新設。さまざまな部署に散らばっていたメール配信サービスの担当者やサイトの企画担当者、技術者などを集約し、窓口の一本化を図った。

ウェブならではの価格とサービスを

　カスタマーソリューション営業部eビジネス課の名畑和世課長は、「サイトで購入する消費者は、パソコン上級者層が多かったが、これを中級者層や初級者、初心者に裾野を広げていく」と意気込む。リニューアルでは、商品の品揃えを大幅に変えた。リニューアル前までは7割がパソコン関連製品だったが、同製品の構成比率を5割にし、AV（音響・映像）機器や家電などの比率を高めた。

　また、従来サイトだけの割引ポイントを実店舗で展開している「EXポイントカード」に統合。消費者がサイトで商品を購入する際は、割引ポイントが同カードに貯まることになり、同ポイントカードの割引ポイントをサイト購入時と実店舗での購入時双方で活用できるようにした。サイトの特徴は、価格帯と品揃えにある。価格帯では、会員登録（無料）した消費者に対し、サイトで提示した価格よりも低価格で提供。「サイトリニューアルでウェブでも実店舗でもポイントが使えるようになったため、会員登録数がリニューアル前の5倍に増えた」と強調しており、「EXポイントカード」所有者を増やすことにもつながったという。

　品揃えでは、同社のグループ会社であるディスクピアのホームページとリンクし、30万アイテムにのぼるCD・DVDの販売や、実店舗で取り扱っていない商品を揃えた「J－セレクト」コーナーを設置。サイトならではの付加価値サービスを提供することで他社サイトとの差別化を図る。サイトでの購入者層は、大阪を中心に関西圏が大半。この地域での認知度は圧倒的に高い。今回のリニューアルで「首都圏の顧客を増やしていきたい」意向だ。今年度は、サイト販売で約20億円の売上高を目指す。（佐相彰彦）