検証ECビジネス ネットショップのその後

<検証ECビジネス ネットショップのその後>第18回 ダイコム

2002/11/04 16:51

週刊BCN 2002年11月04日vol.964掲載

 ネットショップ「e-ぐる」を運営するダイコム(簾内喜久代表取締役)は、顧客本位のサイトを追求する。サイトでは、消費者が注文する際、必ず「見積り依頼」を行わなければ購入できない。簾内代表取締役は、「システムで完結することに注力することが消費者のためになるわけではない。消費者が何を必要としているかをつかむことがカギだ」と話す。

見積依頼機能が特徴 顧客本位のサイトへ

 購入までの流れは、「価格.com」で価格を確認し、「見積フォーム」で見積りを送信。同社はその見積り依頼を受け、送料や消費者税込みの合計金額を記載した「見積り回答メール」を送信する。回答時間は、通常3-5分だという。消費者は、「見積り回答メール」の価格次第で購入を決定することができる。こうした対応を24時間体制で行っているという。消費者は、初めて訪れたサイトで商品を検索し、自分が欲しい商品を見つけた場合、「購入ボタンを押したはいいが、本当に商品が届くのだろうか」、「本当にこの会社は運営しているだろうか」などの不安をもつ。

 そこで、見積り機能によって迅速かつ適確な回答を送信することで消費者に信頼感を与えるようにしている。また、「見積り依頼が多い商品の在庫が少なかった場合、確実に売れる商品ということで、メーカーとの仕入れ交渉にも役立つ」としている。サイトは、99年に価格比較サイト「価格.com」に家電部門が立ち上がったことで価格.com専門ショップとしてサービスを開始。家電製品を中心に3000-4000アイテムを揃える。納期は、翌日が大半で、在庫がない場合でも2日納品を徹底する。

 インターネットについては、「実店舗と異なり、人件費や土地などのコストが削減できる反面、ランニングコストが高い。システム構築にかかるコストを極力抑えなければ、ビジネスとして成り立たない」という。そのため同社では、システムをすべて自社で構築した。また、「サイトや商品のデザインに懲り、見栄えがよいサイトに仕上げても購入に結びつかなければ意味がない。消費者の購入意欲を高めることが重要だ」としている。(佐相彰彦)
  • 1

外部リンク

http://daicom.co.jp/eagle/