検証ECビジネス ネットショップのその後
<検証ECビジネス ネットショップのその後>第17回 マルユウ商会
2002/10/28 16:51
週刊BCN 2002年10月28日vol.963掲載
ネットで個人を囲い込み 他業種製品の販売も検討
同社は、パソコンや周辺機器、AV機器などの卸業者で、パソコンショップや企業などに商品を提供。小売りでの顧客を拡大することで売上高増加を図るために、サイトを2000年に立ち上げた。サイトは、「さまざまな消費者が訪れるように、購入にたどり着くまでのクリック数を減らし、分かりやすさを追求した」という。自社でシステムを構築、サイトにかかる投資を極力抑えた。商品は、パソコンをはじめプリンタやスキャナ、デジタルカメラ、液晶モニタ、AV機器など。会計ソフトなどのソフトウェアも取り扱う。売れ行きは、周辺機器が好調だという。注文は、消費者が誰でも購入したい商品を注文できるように、あえて電話で受ける。電話での問い合わせが怠慢だった場合、初めてサイトを訪れた消費者は、商品を購入しない可能性が高い。一度購入した消費者でも、対応の良し悪しで二度とサイトに訪れないこともある。だが、「逆に、電話での対応が良ければ、問い合わせで電話した消費者が購入を決断するケースがある」という。アクセス数は、1か月平均で5000件と比較的少ないものの、注文や問い合わせの電話に対し、丁寧かつ適確に対応することで購入につなげる。
インターネットビジネスについては、「売上高が全体の65%を占めており、ビジネスの中核に位置づける。ADSLなどのブロードバンドがさらに普及するにつれ、顧客層の裾野が広がっていく」とみている。また、パソコンの販売に関しては、「価格が安ければ販売は増加する。だが、低価格で数を売りさばくだけでは利益に結びつけるのが難しい。やはり低価格化の波を打破していくことが重要だ」と指摘する。そのため、「インターネットにより、箱売りの販売だけではないビジネスを展開していきたい」意向だ。(佐相彰彦)
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