PC販売店の体力測定

<PC販売店の体力測定>第16回 T・ZONE.

2002/10/21 18:45

週刊BCN 2002年10月21日vol.962掲載

 ここ数年、パソコン販売の不振が続くなかで、「部門連携の強化で生産向上」、「インターネット関連ビジネスの拡大」に取り組み、また、ベスト電器との提携によりデジタル家電の取り取り扱いに活路を見出そうとしたが、打開策にはならなかった。2001年度は、売上高が前年度に対し37.6%減の420億円、営業損益も22億円のマイナス。売上高、損益ともに5期連続のマイナスと惨憺たる状況となった。5年間、シーエスケイ(CSK)が支援に入り経営の建て直しを図ってきたが、失敗に終わり、結局、ヴィーナスファンド・ホールディングスに経営権が移行。新たな再生に向けて始動した。(DRC(データリサーチ社)代表取締役 青木康祐)

 その第一弾として、今年5月、最後の砦である「T・ZONEミナミ」を閉鎖。パソコン販売から一部撤退、ミナミ電気館の多額な賃貸料の支払いから開放され、固定費の大きな圧縮が図られ、身軽になったのは救いだ。現在は、東京・秋葉原電気街に「AKIBA PLACE」、「PC DIY SHOP」の2店とアニメ・ソフト専門店「emania(エマニア)」、コスプレ喫茶「カフェ メイリッシュ(Cafe Mai:lish)」の4店、同・吉祥寺にパソコン専門店としてのT・ZONE.の計5店舗体制。

 コスプレ喫茶「メイリッシュ」は今年7月にオープン。パソコン専門店としては初めての試みで、同社では経営再建の柱の1つと考えている。「アミューズメント・コンテンツ(AC)事業の拡大」を掲げ、子会社のジェイ・ノードから協力を得て展開している。また、「エマニア」はマニア向けの美少女アニメ・ソフト専門店だ。今年度は売上高107億円を目指す。今春、就任した横山隆俊社長は、「すでに秋葉原は趣味というカテゴリーの街になっている。パソコンだけでなく、趣味的商品も提供していきたい」と語る。これまでシーエスケイが立て直すことができなかった経営を、弱冠36歳という若さの横山社長がいかに再生させるのか。手腕が注目される。
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