PC販売店の体力測定

<PC販売店の体力測定>第13回 ノジマ

2002/09/30 18:45

週刊BCN 2002年09月30日vol.959掲載

 2001年度は厳しい環境のなか、新規出店を神奈川県内3店舗に抑え、小型の不採算店3店舗などを閉鎖。店舗のスクラップ&ビルドに努め効率化を図った結果、総店舗数は前年度に対し5店減の65店舗となった。決算概況をみると、決算期変更のため11か月10日の変則決算だが、単体ベースでの売上高は前年度比12.2%減の768億円となった。(DRC(データリサーチ社)代表取締役 青木康祐)

 情報通信機器分野のウエイトが66%を超え、特にパソコンの売上高の全体に占める割合が36.5%に上るノジマにとって、パソコン不況の痛手が大きく、パソコン売上高が同18.0%減となったのが響いた。一方、損益面は、販管費の増加により営業損益が17億円3300万円のマイナス。営業外収益として販促協賛金が8億2200万円あったものの、結局、経常損益は8億4700万円のマイナスとなった。

 この要因は、売上総利益が前年度に対し5.5%減少したのに対し、販管費が同21.3%増と大幅に増加したこと。販管費のなかで広告宣伝費が前年度の21億円から49億円と2.3倍も増加したことが大きい。過去2年度の売上総利益率と販管費率の状況をみると、売上総利益率が14%台と低いにもかかわらず、販管費率を13%台に抑え、収益の出る状況だったが、01年度で16%台に売上総利益率がアップしたものの、販管費率が18%台に突入したため、損益がマイナスに転ずる結果となっている。

 今年度(02年度)計画では、売上高が前年度比6.7%増の820億円、経常利益で8億円を目指している。神奈川県を主力地盤としているノジマにとって、ヤマダ電機がダイクマの店舗をテックランド10店舗へと業態転換を一挙に進め、同地区での営業強化が脅威となっている。しかし、神奈川県を主力商圏としながらも、同県内での家電・パソコンの年間市場規模約6000億円(00年度、DRC推定)に対し、同社の県内マーケットシェアは12%強程度。ノジマにとってまだまだ市場開拓の余地は残されており、売上拡大のチャンスはある。
  • 1