店頭流通
ナナオ LCD市場で5―6月は単独トップに
2002/07/22 18:45
週刊BCN 2002年07月22日vol.950掲載
SXGA対応16型モデルがヒット
昨年、成長軌道に乗ったのは、価格がこなれてきたため。昨年1月の平均単価は9万4000円強だったが、今年1月には5万8000円にまで低下した。CRTディスプレイとの価格差が縮まるにつれて、ユーザーは雪崩を打つ形でLCDに移行していった。しかし、今年に入って需要堅調からパネルメーカーが強気に転じ、2月以降LCDの実売価格は値上げ傾向に入った。6月には6万7000円にまでアップしている。
現在、ナナオの16型「FlexScan L465」と17型「L565」が好調な伸びを示し、BCNランキングのモデル別出荷台数で1位、2位を独占する状態が続いている。とくに「L465」はセレーングレーモデルが単独トップ、ブラックモデルも2位から4位の間を維持している。
同モデルは昨年10月の発売。今年3月から伸びが目立ち始めた。この理由について、ナナオの山口省一企画部部長は次のように分析する。
「当時は15型が主流だったが、当社はSXGA(1280×1024)のニーズは高いと考え、16型でそれを実現、他社は17型以上に搭載してきた。昨年は、15型の価格が月を追うごとに低下していったため、16型には割高感があったが、今年に入って15型の価格が上昇を始めたため割高感が薄れ、多少高くてもSXGAを選択するユーザーが増えた」
6月は、L465セレーングレーモデルの平均実売単価は6万8500円、NMビジュアルの15型新製品「RDT153X」は5万5000円、同じくNMビジュアルの17型「RDT172M」は7万1500円。
ユーザーはSXGAなら16型、17型にあまりこだわっていないようだ。少しでも安い方を選択しているという図式が浮かび上がる。
また、ナナオの「EIZO(えいぞう)」ブランドは、マニアの間では高く評価されてきたことも、ここにきて威力を発揮し始めているようだ。
「いずれ他社も価格対応を図ってくるだろうが、17型パネルの値上げ圧力はまだ相当強いと聞く。ただ、それに頼ることなく、当社らしい新製品を引き続き投入していくことでさらにシェアアップを図る」方針だ。
7月には18.1型の「L665」を発売した。「これで15型から18型までの品揃えが整った。マルチエッジ(MultiEdge)と呼んでいる筐体デザインの共通化、スピーカー、ACアダプタの内蔵、sRGBへの対応など開発コンセプトの共通化により、差別化を図っていく」としている。
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