店頭流通
急激に普及するDVD ネットのレンタルサービスが人気
2002/07/15 16:51
週刊BCN 2002年07月15日vol.949掲載
「スパイダーマンやスターウォーズのDVDが販売されたら、絶対買いたいよね」というのは、シリコンバレー在住の高校生の言葉である。これは彼一人の話ではない。米国では、今DVDの人気が急激に上昇している。
米国でのDVDユーザー数は去年から増加し始めた。一説には、ラッセル・クロウがアカデミー賞を受賞した「グラディエーター」がDVD化されたころから普及したとも言われている。2500万世帯が昨年までにDVDデッキを購入し、この数は今年に入っても順調に伸びているようである。
DVDプレーヤとソフトの普及の理由には、その値段の下落がまず挙げられる。プレーヤの値段は昨年から下がり始め、今年に入って100ドル台かそれ以下のものも販売されるようになった。これが一般消費者の購買欲を高めた。また、ソフトも安ければ19ドル台で購入できるということもあり、家族が3人いれば、わざわざ映画館に行かなくてもホームシアターで迫力万点の画像が楽しめるという利点が生まれたのである。
日本と違い、ソニーのプレイステーション2を使って、ゲームとDVDの両方を楽しむというよりは、DVDの映像そのものを楽しむのが米国市場の傾向のようである。それだけに、映画ソフトのレンタルを利用する人が多い。とくに最近人気があるのが、インターネットのレンタルショップである。カリフォルニアに拠点を置くNetflix(ネットフリックス)は、オンラインショップの典型的な成功モデルとして知られている。
Netflixは会員制度を設けており、会費を何ドルかとっている。しかし、普通にレンタルすれば250ドル以上のコストがかかるところを、その約3分の1で借りられるといういうのが大きな売り文句になっている。
実際、約60ものDVDソフトを各75ドル程度かそれ以下で借りられるという破格のレンタル料が、多くの映画ファンを魅了している。
オンラインショップの場合、その配達にある程度時間がかかる。しかし同社は、地域によっては翌日には配達できるというというサービスも開始、これでまた人気が上がった。
Netflixは新しいサービスを次々に開発している。同社のサイトでは無料のお試しサービスの提供を開始した。また、一度借りたDVDをすぐに返却できなくても、滞納料金は不要だ。今後の米国のでのDVDの普及に一役買いそうなビジネスに発展しているのは確実なところであろう。(飯田仁子)
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