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無線LAN製品の販売動向 無線LAN市場にブレイクのきざし
2002/05/20 16:51
週刊BCN 2002年05月20日vol.941掲載
ホットスポット整備が追い風
直近4か月間の無線LAN関連製品の販売金額はほぼ横這いで推移している(図)。今年1月の無線ルータやアクセスポイント(AP)、無線LANカードなどを合わせた月間販売金額を100ポイントとすれば、2月は106.4ポイント、3月は119.8ポイント、4月は110.6ポイントだった。参考までに、有線ルータの販売金額推移を同じ基準で見てみると、1月38.7ポイント、2月43.7ポイント、3月47.4ポイント、4月41.5ポイントと、これもほぼ横這いで推移した。4月月間の無線LAN分野(AP、無線カード、無線ルータなどを含む)では、メルコが、販売台数シェア48.4%、販売金額シェア46.9%と依然として高いシェアを堅持。次いでアイ・オー・データ機器が台数10.8%、金額8.3%、NECが台数9.4%、金額12.5%を占めた。
同じ4月月間の有線ルータ分野では、コレガが台数シェア24.0%、金額シェア17.3%、メルコが台数12.6%、金額8.1%、NTT-MEが台数8.6%、金額14.3%を占めた。有線ルータの売れ筋は、相変わらずコレガのヒット商品「BAR-SW-4P」および「同PRO」(転送速度が速いタイプ)。有線ルータ分野において、コレガの両機種を合わせた台数シェアは24.0%、金額シェア17.3%を占める。無線LAN、有線LANともに、これまでADSLなど常時接続の伸張に合わせて普及してきた。最近では、これに加えて、マクドナルドやモスバーガーなどのファストフード店で次々と無線LAN接続サービス=ホットスポットを導入する動きが加速。パソコンメーカー各社も、B5薄型やA4薄型を中心に、標準で無線LANを内蔵するようになった。
LAN機器ベンダー各社は、「ホットスポットが増え、無線LANがパソコンの標準機能になれば、家庭における有線や無線のネットワーク関連機器の販売に弾みがつく」と期待を高める。最初はホットスポット目当てで無線LANカードや無線LAN搭載のパソコンを購入した利用者でも、いずれ無線LANの利便性に駆られ、自宅においても無線LANの導入に走る可能が高い。折しも、常時接続環境が普及しているタイミングだ。NTT-MEでは、「無線LANと常時接続性を組み合わせた次世代ルータが売れるタイミングではないか」と考え、ルータ型ホームサーバー「リビングゲートアイ」(価格4万円台)を、6月に発売する。
NTT-MEと競合関係にあるコレガも「対抗できるホームサーバー型ルータを企画中」と前向きに準備を進める。プラネックスコミュニケーションズは、「10万円台の法人向けネットワークアプライアンスならあるが、家庭用は検討中」と、同分野の可能性を探る。だが、ルータ型のホームサーバで、最も早く具体的な製品を出すのは、NTT-MEになる見込み。「リビングゲートアイ」は、無線LAN機能のほかにウェブサーバー、カメラサーバー、ファイル共有機能など各種サーバー機能を搭載。動的IPしかなくても、固定IP同様に外部からサーバーを参照できる。記憶装置は交換可能なCFカードを採用した。(安藤章司)
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