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デジタルカメラの販売動向 競争がさらに激化 市場は混戦状態に
2002/05/06 16:51
週刊BCN 2002年05月06日vol.939掲載
オリンパスが首位を維持
02年3月におけるデジタルカメラ市場は、オリンパス光学工業が21.4%のシェアでトップとなった。次いで、キヤノンの16.4%、富士写真フイルムの14.9%、ソニーの12.4%と続く。オリンパスは「キャメディアC-1ズーム」をはじめ、「C-700ウルトラズーム」、「C-40ズーム」、「C-2ズーム」の4機種が上位10機種内に入っている。幅広いラインアップを揃えたことが、2か月連続でシェアトップに君臨した要因とみられる。キヤノンは、年末商戦にぶつけた「パワーショットS30」や「パワーショットS40」などがシェア獲得に貢献。昨年5月に発売した「イクシ・デジタル200」は、品薄状態のままニューモデルがリリースされたため人気が下降したが、同機種の人気がピークだった時に商品がなく買いそびれた消費者が購入している傾向が高く、根強い人気を集めている。富士写真フイルムは、「ファインピクスA201」が根強い人気を保っている。今年2月に発売した「ファインピクスF601」も人気を集めている。ソニーでは、「サイバーショットDSC-P5」がシェア獲得の原動力となった。同製品は昨年10月に発売して以来、機種販売台数シェアでトップシェアを獲得し続けている。図は、BCNランキングで最近6か月間のベンダー別販売台数シェアを追ったものだ。図をみても分かるように、激しいシェア争いを繰り広げており、市場は混戦状態にある。現在は、上位ベンダー4社で65.1%を占めているものの、ほかの各ベンダーも虎視眈々とシェア拡大を狙っている。デジタルカメラは、消費者の生活に身近なものとなり、初心者でも気軽に購入・利用できるようになったことから、パソコンやほかの周辺機器に比べると、需要は依然旺盛だ。01年10月の販売台数を100とすると、今年3月は115と販売指数を高めている。購入者の裾野が広がりつつあるなか、多様化するニーズを取り込んでいくには、画素数や機能面などでラインアップの厚みを増やすことがシェア拡大のカギとなりつつある。
今後は、シャッタースピードといった基本的な機能や夜景モードなどのクオリティ向上、ISO感度や露出などといった細かい操作を求める消費者もでてくるだろう。今年3月における売れ筋の機能としては、画素数が200-300万画素モデルに需要が集まり、光学ズーム機能を重視する消費者が多い。画素数では、上位10機種のうち200万台のモデルは5機種、300万台のモデルは3機種。ズーム機能では、2倍以上の光学ズームが9機種という状況にある。200-300万画素のモデルは、写真として活用する際に画質面で問題がないこと、ウェブやメールで利用する際に扱い易いことが人気を集める要因だ。光学ズーム機能は、画素数に次いで購入する決め手になっている。そのため、現状は200-300万画素、3倍の光学ズーム機能を備えた商品が、消費者がデジタルカメラを購入する際の選択基準として差別化につながると見られる。(佐相彰彦)
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