店頭流通

ソフマップ PC買い替え周期短縮を図る リスク軽減と収益性拡大

2002/03/25 18:45

 ソフマップが、パソコンの「買い替え周期の短縮」に力を入れている。中古パソコンの価格が下がるなか、同社では1年ごとの短い周期での買い替えを促進することで、中古パソコン販売事業の収益性を高める。中古パソコンは、1年以内の「型落ち」までは比較的価値が高いが、1年を超すと急速に価値が低下する。この特性に着目し、パソコン好きなパワーユーザーを中心に、1年周期での買い替え促進に取り組む。

 ソフマップは、中古パソコン販売で年間220億円以上を売り上げ、主要な収益源の1つになっている。しかし、世帯普及率が高まり、パソコンリサイクルが広がったことで中古パソコンの排出量が増え、価値が急速に下がっている。

 「新品購入から1年以内は、半額程度の価値があるパソコンだが、2年目を過ぎると急速に価値が落ちる」(商品本部U-COM事業部・図子貴士部長=写真)。全体的にモノ余り状態で、“新しい中古”でないと価値がないのが現状だ。

 中古パソコンは、現金買い取りが基本。万一、売れないパソコンを買い取ると、廃棄物の山をつくり、経営を圧迫する。在庫リスクが非常に高い。「厳密に査定をしても、毎月4トン車1台分の“売れ残り”が出る。以前は、貴金属を抽出する素材としてトラック1台分10万円の値で売れた。だが、今は逆に“処理費用”として10万円を払うこともある」と、中古パソコン事業の難しさを話す。

 パソコン利用者は、自分ですべて減価償却する「自家消費型」と、1年周期で新しいパソコンに買い替える「乗り換え型」という2つのタイプがある。「自家消費型」は3年、5年と使った後に押し入れへ退蔵するタイプ。一方、「乗り換え型」は、常に新しいパソコンが欲しいパワーユーザータイプが多い。

 専門店であるソフマップの顧客層は、もともと「乗り換え型」のタイプが多い。そこで同社では、中古事業のリスク軽減と収益性拡大に向け、買い替えサイクルが短い「乗り換え型」の顧客の育成に力を入れる。

 うまく使えば、1年型落ちでも購入時の半額の価値がある。これを原則とすれば、2年ごとに買い替えるのと、ほぼ同じ投資で「毎年、最新のパソコンが手に入れる」ことが可能だ。3年ごとにパソコンを買い替えるのに比べれば1.5-2倍の投資が必要だが、それでも毎年“買い足す”よりは安い。同社では、新品パソコンを購入するための下取りは、査定価格に10%上乗せし、割安感を出している。

 実際は、もっと複雑な条件が絡み、半額の価値にならないこともあるが、「早く下取りに出すことで、割安で新品パソコンを買える」ことには違いない。ソフマップとしても、何年も経った“ゴミ同然”のパソコンを引き取る率を減らし、少しでも価値の高いパソコンを確保しやすくなる。
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外部リンク

http://www.sofmap.com/