店頭流通

PCデポ サービス収益拡大目指す

2002/03/18 16:51

「アイステーション」軸に展開

 PCデポ(野島隆久社長=写真)は、ハードの売上比率を下げ、サービス収益の拡大を図る戦略を進めている。昨年度(2001年4月期)のハード比率が62%だったのに対し、今年度第3四半期(01年10月21日-02年01月20日)は49%に引き下げた。この分、サービス収益の比率が6%から15%に増え、中古販売も5%から8%に増えた。

 サービス収益の主な内訳は、ADSLなどブロードバンド(BB)回線の販売代理や設置手数料など。同社では、昨年からブロードバンド商材を重点的に集めた新業態店舗「アイステーション21」を開発。すでに3店舗を開いた。直営の既存店12店舗のうち10店舗では、「BBコーナー」として、店内の一角に「アイステーション」を開設している。

 来年度(02年4月21日-03年4月20日)は、現在計15店舗ある直営店を18店舗に増やす計画。いずれも、BB回線の販売や設置取り付けなど、サービス収益の強化に取り組む。出店計画では、4月に越谷市(埼玉県)、6月に所沢市(同)に店を出す。このほか、1店舗は神奈川、千葉、埼玉のいずれかに出店する。

 野島社長は、「ウィンドウズXP効果も得られず、家庭用パソコン業界全体の春商戦は前年割れで推移している。パソコン本体が売れれば、本業であるパソコン販売で儲ければいいが、パソコン本体の販売で粗利率を高めるのは困難。一方、BBは着実に拡大しており、BB関連サービスの収益拡大に努める」と話す。

 「液晶パネルや半導体の価格が上昇し、円安が進めば、夏商戦のパソコンの価格が全体的に高くなり、商戦そのものの足を引っ張る。家庭用パソコン市場が本格的に回復するのは、BB回線の普及が1000万世帯近くになる今年冬商戦以降だろう」と予測する。

 PCデポでは昨年12月、ADSL回線の設置サービスを専門とする子会社、インターネット・サービスパートナーズ(ISPC、社長は野島氏が兼務)を設立。この3月からNTT東日本のフレッツ・ADSLのモデム設置サービスを始めた。ISPCでは、パソコン販売店の店頭でプロバイダへの入会受付を代行するシステムを開発。自社店舗だけでなく、グッドウィルやコンプ100満ボルトなど他社店舗への導入も進める。

 このシステムは、NTTフレッツ、ニフティ、ビッグローブなどプロバイダ主要10社への加入受付を代行するもので、プロバイダからの手数料収入を見込む。ISPCは、来年度(03年4月期)の単年度黒字化達成を目指す。サービス収益の改善を受けて、今年度(02年4月期)のPCデポグループの連結予想は、売上高で前年度比微減の300億円、経常利益で同微増の5億円を見込む。
  • 1

外部リンク

http://www.pcdepot.co.jp/