店頭流通

マイクロソフト Xbox販売休止問題 販売店との連携上手くとれず

2002/03/18 18:45

 マイクロソフトの家庭向けゲーム機「Xbox」の一部製品で、DVDおよびCDディスクの外周部分に傷が発生する問題を巡り、ラオックスゲーム館など大手流通店が販売休止する事態が起こった。これに対し、マイクロソフトは販売店との間に「Xbox専用ホットライン」を設けるなどの支援強化に乗り出した。ラオックスの場合、3月8日に販売休止措置をとったものの、翌9日には販売を再開している。販売休止になった事情についてラオックスでは、「初期不良があるのではないかという問い合わせに対し、明確な回答がなかったため」と、コミュニケーション不足を指摘している。

専用電話窓口を開設

 マイクロソフトでは今回の事態を重く見て、従来の卸し経由の販売店サポートだけでなく、直接販売店向けサポートができる営業体制へ変更を図り、店舗とマイクロソフト相互で直接アクセスできる電話窓口を開くなどの対処をしていく。

 ラオックスの説明によれば、「すでに3月に入る前から、ディスクに傷が入るという問い合わせが一部のユーザーから入っていた。マイクロソフトに初期不良があるのではないかと問い合わせをしていたが、マイクロソフトから『問題はない』との回答があった」(ラオックス広報)ことが発端。

 当初はユーザーからの問い合わせが1、2件と少なかったこともあり、ラオックスとしても問題はないと判断していた。 その後、インターネットなどでこの問題が大きく取り沙汰されたことで、再度マイクロソフトに問い合わせを行ったものの、3月7日の段階では「調査中」との回答しか得ることができなかった。

 その翌日、一部新聞などに、非常に少ない割合であるがDVD/CDディスクに傷が発生し、これが起こった場合には修理・交換を行うとの報道が出た。「販売店として本当に商品を売ってよいのか、9日、10日の土日にはサポートはどうなるのかといった問題が解決されなかったことから、販売休止に踏み切った」(ラオックス)という。

 マイクロソフトからの説明不足が販売休止の要因となったわけで、ラオックスでは「当社のゲーム館は2階フロアをXbox専用に改造しており、販売休止は売り上げにマイナス影響を及ぼす。当社としても販売休止は本意ではなかった」と説明する。

 8日夕方にマイクロソフトの担当者がラオックスに行き、9日、10日は休日だがサポートは行うなどの説明をしたことから、9日には販売を再開した。

 ゲーム専用機は、初期段階で不良が発覚するケースはあるものの、店側が販売休止措置をとるのは極めて異例。 マイクロソフト側でも、「ユーザーおよび、販売店に多大な迷惑をおかけすることになり、深くお詫びしたい」と、その対応に問題があったことを認めている。

 ディスクに傷がつくことへの問い合わせに対し、すぐに返答を出さなかった点については、「当社としても初のゲーム専用機ということで、調査に時間がかかるなど、体制が不十分な面があった。販売店さんとのコミュニケーションについても、不足だった部分がある」(マイクロソフト広報)と、同様に問題があったとする。

 これを解消するために、従来の卸しを通じた販売店サポートのほかに、マイクロソフトと販売店の直接サポート体制をとる営業体制へ変更。店舗とマイクロソフトを結ぶ電話窓口を早急にオープンし、「Xbox専用の販売店110番的な活用を進め、販売店からの問い合わせに迅速に答えていく体制をとる」という。
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