店頭流通

米イーベイ 日本市場から撤退 ヤフーオークションに勝てず

2002/03/04 16:51

 イーベイジャパン(マイケル・C・ディアリング社長)が3月末に撤退する。米本社では、昨年度(01年12月期)に連結で7億4880万ドル(前期比74%増)を売り上げ、連結純利益9040万ドルを稼ぎ出す好調ぶりだった。だが、日本では競合のヤフーオークションに追いつけず、事業継続を断念した。日本法人の社員17人は全員解雇する。

 イーベイは現在、世界18か国に展開。3月末で日本市場から引き揚げる代わりに、今度は台湾に進出するという。「米本社の経営が悪いわけではない。無理してヤフーオークションに勝つための新たな投資を日本でするよりも、手強い競合がいない地域に進出したほうが投資効果が高いと、米本社は考えたのだろう」(イーベイジャパン関係者)と話す。

 日本法人はNECから30%の出資を受けていたが、2001年7月に資本提携を解消。立ち上げ時の社長だった大河原愛子氏が同年5月に辞めてから2か月後のことだった。

 NEC関係者は「ネットオークションはイーベイだけではない。米イーベイと一緒に日本法人を立ち上げる役割は終わったため、資本を引き上げた」と振り返る。

 イーベイ関係者は、「日本法人は第4番目の海外法人で、当時はアジア地域への進出経験が少なく、立ち上げ時の運用も下手だった。先行するヤフーとの差を縮められず、後々まで尾を引いた」と語る。
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