店頭流通

ソニー、松下など日韓欧9社 DVDの新規格打ち出す

2002/02/25 16:51

 「直径12センチの光ディスク規格の最終形である」。松下電器産業の三木弼一専務は、2月19日に発表した次世代大容量光ディスク「ブルーレイディスク」に自信を示す。青色レーザーを使い片面1層に30ギガバイト、片面2層で50ギガバイトの容量を誇る新規格。現行の赤色レーザーを使ったDVDが片面4.7ギガバイトなのに比べ、約6倍の容量である。

次世代大容量光ディスク「ブルーレイ」

 この新規格はDVD規格を取りまとめる国際規格団体「DVDフォーラム」(国内外219社が加盟)とは別枠で出てきた“異端児”。ソニー、松下、サムスン電子、フィリップス、パイオニアなど日韓欧のメーカー9社が独自に打ち出した。

 ソニーの西谷清執行役員常務は、「DVDフォーラムとは密接な連携をとる」としているが、独自規格であることに変わりはない。DVDをソニーや松下などと共同で発案した東芝も、今の段階ではブルーレイの規格には賛同していない。

 DVDはDVD-R、DVD-RW、DVD-RAMなど、「ファミリー」と呼ばれる規格が乱立。ソニー独自のDVD+RWもある。「ブルーレイもファミリー化する」(三木専務)としていることから、ブルーレイ-R、RW、RAMなど、幾種類もの記録方式が出て、再度、消費者を混乱させる危険性がある。さらに、「ブルーレイは規格上、DVDとの互換性はない」(パイオニアの杉本昌穂技術戦略最高顧問)という。

 商品化は1-2年後の予定。「実際の商品では、各社独自に従来のDVDも再生できるようにするだろう。そうでないと売れない」(杉本顧問)と、互換性を持たせるかどうかは各メーカーの判断に委ねる。
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