店頭流通

揺れる周辺機器・サプライ市場 「開発力」が試される時代

2002/02/18 16:51

 周辺機器、サプライ業界は、今年も厳しい状況を強いられる見通しにある。表は、BCNランキングをベースに昨年1年間の市場規模、価格動向、寡占度をまとめたもの。価格維持に成功した製品もいくつかあるものの、メモリのように半値になるほどの製品もあった。パソコン本体の需要回復次第という他力本願の業界構造の中で、今年ほど「開発力」が試される年はないといえそうだ。

 BCNランキングで対象にしている周辺機器、サプライ製品は50品目を超える。そのうち市場規模で上位15製品を表に記載した。パソコン本体の売上金額に対する比重表示で、周辺機器、サプライのトータルは約75%になる。

 個別製品では、インクジェットプリンタ、デジタルカメラが2大製品となるが、共通の特徴はメーカー自身が販売し、サードパーティーの関与する余地がない点。昨年前半の勢いでは、デジカメがインクジェットプリンタを抜くかと思わせたが、後半になって伸びが鈍り、インクジェットプリンタが店頭ルートでは首位を維持した。

 インクジェット市場は、エプソン、キヤノンの寡占市場となっているのに対し、デジカメは富士写真フイルム、オリンパス光学工業、キヤノン、ソニーの4強が激しいデッドヒートを展開、シェアは流動的である。

 昨年1月と同12月の平均単価を比較してみると、値下がり率が最も大きかったのはメモリ(53.6%)でほぼ半値になった。次いで、CD-R/RWとメモリカードが61.4%、LCDが64.5%、ルータが65.5%の水準にまで値下がりし、この5製品でとくに激しい競争が展開されたことを物語る。

 メモリ、メモリカード、LCDの場合は、供給過剰からの値下がりだった。アフターマーケットにおいてはメモリ市場はシュリンクする一方、LCDは値下がり効果で市場自体は拡大した。ただ、パネルメーカーは強気に転じており、15インチで5万円割れのところでバランスを維持できるかどうかが、当面の焦点になっている。

 CD-R/RWの場合、韓国、台湾メーカーの台頭が値下げ圧力となった。価格の下落で台数規模は拡大基調を維持したが、本体内蔵が進んでいることもあり、今年の市場拡大は難しそうだ。MOは安定した市場を維持したが、今年は記録型DVDが本格的に台頭する可能性が高く、CD-R/RWとともに正念場を迎えることになろう。記録型DVDは、昨年の順位としては24位で0.7%のシェアだったが、モノさえあればもっと売れたというのは通説となっている。

 DVDとともに今年の焦点になりそうなのが、ビデオキャプチャなどの映像関連装置だ。寡占度の30%強が象徴するように、まさに市場開拓期にある。

 市場全体の傾向としては、大型製品については大手メーカーがサードパーティーに頼らずに自ら販売する傾向がますます強まっている。サードパーティーにとっては、「自らの手で売れ筋商戦を生み出す開発力」(業界大手関係者)が生き残りのポイントになってきた。
  • 1