2000年後半から続くPC市場需要の低迷により世界規模で6億ドルの売上低下を余儀なくされたアップルは、1月17日に3年ぶりの四半期損失計上を発表する。

　1995年にアップルに復活したスティーブ・ジョブズは、製品ラインの統合化、製造ラインの外注化、製品設計の洗い直しなどで瀕死の状態だったアップルを見る間に蘇生させ、iMac、iBook、Cubeと続く画期的新製品をぞくぞくと誕生させた奇跡の人として称えられてきた。

　しかし過去にNewtonの失敗でPDA市場への足がかりを失ったままの状況、強かった教育市場でのDELLの進出による王座転落、今年6月までMac OS Xによる製品製造出荷を待たなければならないなど、不安材料は尽きない。

　新年のマックワールドではDVDの焼ける高速PowerMacを発表したアップルだが市場は反応せず、株価は昨年同時期より61％の下落を見せている。厳しいPC市場状況が続くなかで、スティーブ・ジョブズの手腕が今一度発揮されることを期待したい。