店頭流通

アップルコンピュータ 大幅な体質改善進む、在庫6日間体制へ

1998/10/19 18:45

  アップルコンピュータは、98年度(97年10月-98年9月)の日米における事業内容およびiMacの最新事情などについて明らかにした。これによると、全世界における売上高は59億ドル、純利益は3億0900万ドルとなった。第4四半期はiMacの貢献が大きく、出荷台数でも83万4000台(全世界)と前年同期比28%増となった。なかでも、在庫を6日間の体制としたことで収益率が大きく拡大、「デルコンピュータを上回るスリムな体制を実現できた」(原田永幸社長)という。一方、同社では、10月17日、MacOS 8.5を発売した。検索機能である「シャーロック」を搭載しているのが大きな特徴。17日深夜零時から秋葉原、日本橋などの主要販売店で発売された。

MacOS 8.5を17日零時に発売

 米国本社の決算発表によると、98年度第4四半期(98年7-9月)は、「アップルは優れた経営体質を取り戻し、過去5年間のなかで初めて、業界の成長よりも高い成長となった」(スティーブ・ジョブズ暫定CEO)という復活宣言をしたほどの好調ぶり。

 収益は1億0600万ドルの利益となり、経常利益率も6.8%に回復している。その原動力となったのが在庫の大幅削減で、「第1四半期には4億ドル、30日間の在庫があったが、第4四半期には7800万ドル、6日間の体制となった。業界でもっとも先端的といわれるデルコンピュータの8日間を下回る在庫になった」(原田社長)という。

 日本においても、ほぼ同様の体制が実現できているという。売上高や出荷台数では前年を下回っているが、利益や在庫回転率では大幅な改善を見せており、アップルコンピュータが目指した体質改善はほぼ1年で完了したといってよさそうだ。

 原田社長は、(1)G3搭載機によるプロフェッショナルユーザーへの浸透、(2)製造、物流インフラの再構築の成功、(3)iMacによる成功――の3点を1年間の成果として掲げた。iMacに関しては、米国では42日間で27万8000台を出荷、日本では発売初日に約1万台を販売、これまでに4万台強の出荷を達成した。

iMac購入者4割以上がMac未体験

 iMacの全世界での購入者分析では、初めてパソコンを購入するユーザーが29.4%、ウィンドウズからの乗り替えが12.5%、マックの買い増しが28.8%、マックからの買い替えが29.3%。「日本ではウィンドウズからの乗り替えが14%程度に達しており、4割以上がこれまでにマックを使ったことがないユーザー」(原田社長)としている。

 一方、10月17日に最新OSとなるMacOS 8.5を発売した。シャーロックと呼ばれる検索機能が特徴で、インターネットやハードディスクのデータを簡単な操作で検索できる。「G3のパワーを生かすための、インテリジェント機能を付加したOS」(原田社長)と位置づけている。

 価格は1万3800円。iMac購入者と9月15日以降のマック購入者には2500円で頒布する。なお、MacOS 8.5搭載パソコンの発売は現在のところ未定。
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