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アップル ジョブズ取締役、CEO正式就任を検討

1997/10/20 18:45

 米アップルコンピュータの次期最高経営責任者(CEO)の有力候補として同社創業者のスティーブ・ジョブズ取締役の名前が再浮上している。今月初めにサンフランシスコで開催されたマクロメディア開発者カンファレンスの講演のなかで、同取締役自身が正式就任の可能性を示唆した。

カンファレンスの講演中に自ら示唆

 同カンファレンス出席者によると、会場からの「いつ正式にCEOに就任するのか」との問いに対し同取締役は「1週間ほど休暇でハワイに出かける。その時にビーチを歩きながら考えるよ」と答えたという。アップル広報によると、ギルバート・アメリオ前CEOの後任を年内に決めるため、人材派遣会社による選考が続いている。

 しかし、有力候補の1人に名前が挙がっているカデンス・デザイン・システムズのジョー・コステロCEOは「アップルは、わたしを含め外部の候補の面接をまだ行っていない。多分もうだれか内部の人間でCEOに決まっているのではないか」と述べ、ジョブズ取締役が次期CEOに内定している可能性を示唆している。

 別の情報筋によると、ジョブズ取締役は10月末にハワイから戻り、決断の内容を取締役会に報告する予定。それまでは外部候補の選考作業を停止し、ジョブズ氏が辞退すれば選考作業が再開することになっているという。

 ジョブズ氏は同社創業者の1人だが、社内クーデターにより退社。昨年末から同社に相談役として復帰し、アメリオ前CEO退任後、8月に取締役に、9月に暫定的CEOに就任した。しかし、CEO正式就任の可能性については同氏自身がこれまで何度も否定している。
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