店頭流通

<MAC WORLD EXPO視察団報告>次世代を担う機能

1989/02/13 18:45


400枚程度のPOSが入って99ドル

 その1つはPDS(パブリックドメインソフト)である。

 7~8カ所でCD-ROMの形でPDSを販売しており、BCS(ボストンコンピュータ協会)の「PD-CD」はディスケット400枚程度のPOSが入って、99ドルである。

 CD-ROMはさらにMac関連の数百種類のデモソフトを収録したもの、ホールアースと呼ばれる地球科学事典、マンホールとよばれるゲームソフトなどが見られた。

 Macはハイパーカードやグラフィックソフト、あるいは音楽ソフトなど、大量の記憶容量を必要とする応用が多い。したがって、ハードディスクは必需品となっている。会場では最新のハードディスクの展示や即売が行われていた。20MBは最低であり、100MBも珍しくない。300MBや600MBといった大容量のハードディスクも見られた。600MBで8000ドル程度である。

 70MBのハードディスクも850ドル(約11万円)で購入できる。ディスク装置は、書き換え自由な光ディスクも注目される。これはスティーブ・ジョブズのネクストで採用され話題となったが、今回はジャスミンなどから650MBの光ディスクが発表されていた。

 ネクストといえば、展示会場でマセマティカと呼ばれるユニークなソフトのデモのためにネクストが使用されていた。

 注目されるMac用ビジネスソフト現在米国ではマッキントッシュの販売シェアが急速に伸びている。その20%を超える大きなシェアのかなりの部分は企業利用である。それを支えているのがMac用のビジネスソフトである。

 ビジネスソフトといえば、スプレッドシートソフトが代表例である。これまではマイクロソフトのExcelが中心であった。それに対して、今回はインフォミックスのWingzやアシュトンテイトのフルインパクトが発表され、注目された。

 データベースの分野ではオラクルからMac用のオラクルが発売された。特別価格99ドルで購入したが、700ページものマニュアルとディスケット7枚、さらにTシャツのおまけつきで、その安さに驚かされたといえる。

ハイパーカード急速に普及 互換ソフトも続々登場

 一方、Mac用ソフトといえば、ハイパーカードが急速に普及している。それとの関連でハイパーカード上で動くソフトも数多く展示されていた。たとえば、CD-ROM上のPDSはハイパーカードのスタックの形で用意されている検索ソフトによって、特定のソフトを選ぶことができるようになっている。

ハイパーカードのクローンソフト

 さきほどのオラクルもインタフェースのハイパーカードを使っている(開発者向けの本格的なオラクルは999ドル)。またハイパーカード上のエキスパートシステムツールなどもあった。

 ところで、シリコンビーチからはスーパーカードが発表されていた。これはハイパートークと互換性をもつクローンソフトであり、既存のスタックおよびスクリプトがそのまま動く。しかも、ハイパーカードにはなかった新しい機能が付加されている。

 それはまずカラー対応となったことであり、ペイントツールに加えて、ドローツールが加えられた。

 ペイントによって描かれたイメージはドローオブジェクトに変換され(オートトレース機能)、カード上のすべてのイメージに対して、スクリプトを与えることができる。

 さらにカードの大きさは自由に変えることができるし、マルチウインドーとなった。複数のスタックを同時に開くこともできる。

 スーパーカードにはスーパーエディターと呼ばれる編集機能がついた。この編集画面の上で、カードやウィンドー、メニュー、そしてさまざまな資源(音、カーソル、アイコン、XCMDなど)のすべてを直接、編集することができる。

 スーパートークプログラミングはハイパートークと互換性があるとともに、グラフィックス機能やアニメーション、あるいはウインドーなどの新しいコマンドが追加された。スーパーカードは今年の第2四半期に発売が予定されており、価格は199ドルである。