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「ワット・ビット連携」のカギは地方分散か
2025/04/17 10:00

生成AIの計算資源として欠かせないGPUサーバーは、従来の業務用途のサーバーに比べてラック当たり10倍とも、20倍とも言われる電力を消費します。GPUサーバーを収容するデータセンター(DC)の電源をどこに求めるかが大きな課題となる中で、再生エネルギーを調達しやすい地方立地が注目を集めています。
電力とDCの設備投資を連携させる「ワット・ビット連携」の議論が官民で進んでいることを踏まえ、三菱総合研究所は「生成AI時代のDC地域分散シナリオ」を公表しました。東阪に集中している現状では再エネの利用率の向上は難しいため、北海道や九州といった再エネを確保しやすい地方にDCを増やしていく案を打ち出しています。
再エネの電源を確保しやすい環境を整備することで、脱炭素や環境負荷の軽減を重視する投資家やユーザー企業の支持が得やすくなるとともに、経済安全保障上の戦略物資であるAIの計算資源の設置場所として、アジア太平洋地域で日本が適していることを海外にアピールすることにもつながりそうです。(安藤章司)
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三菱総合研究所、ワット・ビット連携を分析 脱炭素しやすい地方分散を有望視
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