▼Webマーケティングに携わる知人が、近年はショート動画の勢いが目覚ましいと話していた。若い世代を中心に幅広く視聴され、拡散力、リーチ力ともに高いそうだ。確かに、あらゆるSNSにショート動画機能があり、無数の投稿が浮かんでは消える様を日々目にしている。ただ、それが主流になっている実感はあまりなかった。

▼時流に疎いのは、年齢のせいだと諦めてはいるが、テキストでしか情報を発信できない記者のような存在が、この先どこまで生き残れるのかと不安もよぎる。取材先から良い情報を預けられても、それが受け手に届かなければ価値はない。時代に応じた発信手段を取り入れることも必要だ。

▼そう考えると、ITビジネスはメディア業界よりももっと過酷な環境に思える。続々と新しい技術が登場し、キャッチアップし続けなければ、存在意義すら失いかねない。紙媒体でなんとか息をしている身では想像もつかない苦労があるだろう。

▼上書きされていく世界に適応するために、記者も努力したい。手始めにショート動画を真剣に見てみよう。断っておくが、仕事をサボっているわけでは、決してない。（無）