北斗七星
北斗七星 2025年3月10日付 vol.2050
2025/03/14 09:00
週刊BCN 2025年03月10日vol.2050掲載

▼小欄を執筆している今、窓の外では雪がちらつく。関東では数日前に春の陽気が訪れたばかりで、気候の急変に戸惑う。他方、気象庁は先ごろ、今夏の気温が平年より高くなるとの見通しを発表した。昨夏ほどにはならないようだが、体にこたえる日々がまたやってくる。
▼「気候変動」が生活に溶け込み、もはや何が変動しているのかわからない。毎年、夏は酷暑だし、季節外れの雪が降っている気がする。多くの企業、個人が対策にいそしむが、その効果は短期で現れるものではない。
▼ここ数年の急激な気候変動対策に疲れが見え始めていると聞く。欧州では規制の厳格化や実施速度を鈍化させようとする動きが広がり、米国でも対策の後退がささやかれている。確かに気候変動は重要な課題だが、理想が先走っては、不満が生まれるのも仕方ない。
▼IT企業にとって「GX」はビジネスの一つとなりつつあるが、あまりに急いては、「金儲け」だけが目当てともとられかねない。ひたすらに危機感をあおるのでなく、顧客企業や人々が納得し、意欲的になるような方法は何かないだろうか。そんなことを考えている間にも、雪は降り続いている。(無)
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