今日のひとことWeb版
関心高まる「ソブリンクラウド」
2025/02/28 10:00

昨今、データやソフトウェアの主権を確保した状態で利用できるクラウドサービス「ソブリンクラウド」への関心が高まっています。地政学的なリスクの高まりを受け、経済安全保障の観点から、自国の規制や法律などに準拠したかたちで、自国内でデータを保有・管理し、ユーザー自身の制御下にデータを置きたいとのニーズが強まっているようです。
米Oracle(オラクル)が展開する「Oracle Alloy」はソブリンクラウドに対応したクラウド基盤であり、野村総合研究所(NRI)や富士通、NTTデータといった国内の大手SIerが立て続けに採用しています。先日開催された日本オラクルのイベントでも、NRIが同社の新たなクラウドサービスの基盤としてAlloyを活用するとの発表がありました。
同じイベントで富士通の担当者は、Alloyを使った新サービスについて、データ主権への対応以外に、クラウド化できていないミッションクリティカルシステムの安全な移行先としての期待や、パブリッククラウドに移行後のトラブルに悩む顧客から相談が寄せられていることを話していました。
一概に全てクラウド化すべきということではありませんが、オンプレミスの運用形態にこだわりのある企業が、安全にクラウドを活用するための一つの方策としても、ソブリンクラウドは有効なのかもしれません。(藤岡 堯)
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NRIとNRIセキュアテクノロジーズ、高セキュリティーなクラウド基盤を提供 「Oracle Alloy」を活用、AI実行環境も用意
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